BIGLOBE鈴木(研)です。今日は、少し時を遡り、2019/10/24~25でVMUGの皆さんと沖縄に行ってきた際のレポートをしたいと思います。
宜野座ITオペレーションパーク、OIST(沖縄技術大学院大学)の見学をしつつ、LTでスポンサー企業やVMUG会員が発表しました。 私もLTで発表したので、その内容は後述したいと思います。
■宜野座ITオペレーションパーク
国際通りで待ち合わせ、宜野座村の担当の方が迎えに来てくれました。 バスで1時間くらい高速道路を走り、到着しました。
中の写真撮影はNGとのことで、文言だけのレポートとなります(2019/10時点の情報です)。
- 大きくは、サーバエリア、コンタクトセンターエリア、事務所エリアに分かれています。
- 事務所は、2~3名から利用可能、部屋をパーティションで区切って30㎡~利用可(スモールスタート可)
- 10社(沖縄県外9社)が入っている
- 村の採用者数は30名ほど
- 企業の人を含め、7:3で女性なので、女子トイレしかないフロアがあるのはびっくり
- 海抜24mで、津波が来ても安心
- 空調設計はちょっと古そう、天井が妙に高かった
- 免震は震度6~7まで耐えられる(沖縄は地震が少ない)
- 蓄電池は10分持つ
- 電力2秒断で発電開始、200kVAで3日間持つ
- 台風が多くて、電力会社からの電力供給が止まったことがあったが、3日耐えたことはある(その後、近くの変電所からの送電は地下埋設)
- 築17年でそろそろ設備更新だが、夏の工事は無理(台風が多いので)
VMUGリーダの方のDRサイトがあったので、そのラックをちょっと見学させてもらいました。
近くに、阪神タイガースのキャンプ地がありました(バスで横を通過しただけでしたが)。
見学後、事務棟の屋上で、バーベキューをふるまってもらいました。
屋上からの写真です。絶景を見ながらのバーベキューは最高でした。
変わり種で、ヤギ汁をいただきました。結構癖がありました。
■OIST(沖縄技術大学院大学)
国際通りで待ち合わせ、バスとハマーに分乗して向かいました。やはり高速道路を1時間くらい走った気がします。 順番でハマーに載せてもらいました。
外国の大学のキャンパスのような雰囲気(アメリカのドラマに出てくるような)でした。 8割以上は外国人の学生(出身地60か国)とのことで、公用語は英語とのことです。 学生含め教職員合わせて1100名以上が在籍しているそうです。
最初の学長が医学系の方のようで、見た感じ、医学/生物系の色が強いように思いましたが、 物理学、海洋科学、化学、数学・計算科学などの研究も行っているそうです。下の写真の方々は学生さんではなく、VMUGメンバです。
OISTのITディビジョンについて、担当の方から説明をしてもらいました。概要はこんな感じでした。
- 約30名で1100名の面倒を見ている
- OIST内にDCがあり、宜野座や奈良先端科学技術大学院大学とDRを組んでいる
- 学術情報ネットワーク(SINET)で大学間を連携
- AWS、Azure、Salesforce等々を積極的に活用
- VDIとクリティカルなシステムはオンプレ
■私のLTの内容
一応、登壇した時の証拠写真を他のVMUGメンバに取ってもらいましたw
タイトルはIaaS基盤の所有→利用へのシフトです。
弊社のIaaS基盤を、今後利用した分だけ支払うモデルに切り替えていくことを検討しており、その中で私自身が会計的な知識が無いためにいろいろ勉強したことを、まとめてみました。
目的は、
- VMUG会員の企業の方においては、同様の検討をしているかもしれないので、私が検討した内容を情報共有をさせていただく
- スポンサー企業の方に対してはユーザ企業はこういうことを気にし始めているよということを把握いただく
です。
1)利用と所有
利用と所有について、まずは整理してみました。
色々の比較軸はありますが、オフバランスかオンバランスか、という違いに着目してみます。
オフバランスとオンバランス
- オンバランス →総資産が増える →自己資本比率が下がる
- オフバランス →総資産が減る →自己資本比率が上がる
https://www.kessansho.com/general/study/04_05.html
2)長期前払費用とは?
会計知識の乏しい私が悩まされたのが、長期前払費用です。一般的な会計の費目のようなので、これを機に勉強してみました。
- 期間が1年を1日でも超えると、資産計上しなければならない
- 長期前払費用が嫌がられるケース
- 何でそんな先までの費用を今払わなければいけないのか?キャッシュフローの悪化は避けたい会社もある
- 払うのは、その都度が良い
https://keiriplus.jp/tips/cyoukimaebarai_hiyou/
オフバランスにしたいなら、長期前払費用にならないようにする必要があります。
※複数年間でのトータルコストが下がればよいという場合もあり、企業ごとにポリシーは異なる
3)IFRS16号とは?
もう1つ気にしておかなければいけないのが、IFRS16号のようです。必ずしも「リースならオフバランスに出来る」という訳ではなくなったってことのようです。 現時点でIFRS未適用企業でも、2023年くらいには強制適用になる可能性もあるとのことです。
- 2019年1月1日以後に開始する事業年度からは、国際財務報告基準IFRS16号による新リース基準が強制適用
- 新基準では、全てのリースがオンバランス処理(=資産計上)となる
- これまでは「売買か賃貸か」でオンバランスとオフバランスが判断されていたところが、今後は「リースか否か」がそれに代わるということになる
※長期前払費用にならなくても、リースで調達したものは、全て資産計上が必要になるそうです
https://keiriplus.jp/tips/ifrs_lease/
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1909/09/news005.html
4)この設備、資産計上しないといけないの?経費処理でOKなの?
このあたりは、会社の会計に詳しい方にヒアリングをして教えてもらいました。ただ、この基準は、それぞれの会社の会計ポリシーによって変わるようですね。
- 「占有」しているかどうかがポイント
- 基本的には、各会社の会計処理のポリシー次第
- クラウドだろうが、オンプレだろうが関係はない
- 例えば、
- AWSの利用料は、どのラックのどのハードを占有しているとは言いづらい(VMがどこにいるのか流動的)⇒現時点では、経費処理でOKと判断する会社もある
オンプレに導入する機器は確実に占有するので、資産計上する場合が多いようです。
5)IaaS基盤「利用」のパターン
弊社で検討している「利用」のパターンとして下記2つがあります。
- オンプレ持込型
- 各SIerさんの提案
- 個別SI案件の色が強く、割高
- VCFベース管理なので、管理クラスタ分でコストが下駄を履く
- サーバ増設で初期費を取るベンダも・・・
- リースでの提案をしたところもある・・・
- VMC on DellEMC
- 日本リリースはまだか?
- マルチテナントでの利用は現時点ではNGっぽい
- 各SIerさんの提案
- 外部リソース型
- VMC on AWS
- 最低4ノード(マルチAZは8ノード)
- VMC on AWSの制限(現時点)
- マルチテナントが現時点でNG ⇒近々でこの制限は解除される見込み
- NSX Edge Load Balancer、Third Party Service Insertionがオプションで「ホスト利用量の約6%の金額」とのこと ⇒標準にしない=AWSのELBを使う前提か?
- IBM Cloud
- 責任範疇がHWまで
- vSphere/NSX/vSAN等の運用保守は別(将来的にはIBMも自営でやるかも、とのこと)⇒運用保守する会社と組んでもらう必要あり
- VMC on AWS
※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
6)まとめ
- 仮想基盤も所有→利用の流れに
- オフバランスにしたい会社も増えてきた
- キャッシュフローを気にする会社は多い
- リースはNG(IFRS16号)
- 1年を超える費用は要資産計上(長期前払費用)⇒期間の縛りはあっても、年払いが望ましい
- 外部リソース型がよさそう(規模次第で要資産計上)
- 運用保守やリニューアルの工数を外出ししたい
いずれにせよ、各企業の会計ポリシー次第で、オンバランスのほうが良いのかオフバランスが良いのかは変わってくるということは、留意しておく必要があります。
■番外編
私自身、人生初の沖縄でしたので、結構ワクワクしてました。 飛行機を降りて、いきなり夏に戻った感じでした。
ソーキそばを飛行機を降りてすぐに食べました。
懇親会で生ライブ。結構盛り上がっておりました。
最終日の夜に、てびちそばを食べました。 これが豚足かと。結構骨っぽいんですね。ぷるんぷるんでおいしかったです。
東京に帰ってきて週明けすぐに、首里城が燃えたというニュースを聞いて、「あぁ、燃える前に見れるチャンスだったのに、行けばよかった」と後悔しました。 ドラクエウォークのお土産も首里城にあったようなので、行けばよかったです。。。
■まとめ
ちょっと外国っぽい雰囲気に浸りつつLTに参加するというのも、いつもと違って新鮮な気分になりました。私にとっては、初沖縄ってのもありましたので。
参加者の皆さんも、沖縄の雰囲気でハイになっていて、LTでのテンションも上がっていたように思いますし、私の発表後もすぐに「ここはこうだよ、ああだよ」って教えてくれたりと有意義でした。 他の参加者のLTの内容も、とても興味深く拝聴させていただきました。
参加者の皆さんとの連帯感も醸成できた気がして、Japan VMUGがさらに盛り上がる予感もしております。
■お知らせ
VMwareユーザ会(VMUG)に興味のある方は、
https://www.vmug.com/membership/membership-benefits
をご覧いただいて、もしよろしければ入会していただけると幸いです。 部会でお会いできるのを楽しみにしております。
以上です。