BIGLOBEの「はたらく人」と「トガッた技術」

現場リーダーへのインタビューで新入社員から「生き生きと働く意欲」を引き出す

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基盤本部(開発部門)でエンジニア育成を担当している高玉です。

企業によっては、新型ウィルス対策としてのオンライン対応が難しく、新人研修自体を打ち切ってしまったところもあるそうです。 そんな中、私たち基盤本部では全力で新入社員を育成すべく、様々な工夫を凝らしてオンラインでの研修を継続しています。

この記事では新卒エンジニア向け研修の概要の後に、 「新人がBIGLOBEで生き生きと働けること」を目指した「リーダーインタビュー」について詳しくご紹介します。 コロナ禍という未だかつてない状況にあっても新人が孤独にならず、社内の仲間とつながる喜びを感じられる取り組みです。

どの組織でも実践できるように、ノウハウを惜しみなく公開します。 寂しい思いをしている新入社員が一人でも元気になれば幸いです。

新卒エンジニア向け研修

エンジニア職の新入社員5名のために、次の研修を実施しています:

  • 月~木:OJT(On the Job Training)
    • 現場で実務を担当しながら「タスクばらし」と「ふりかえり」を実践し、セルフマネジメント力を高める
  • 金:共通研修
    • リーダーインタビュー
      • 現場を牽引するリーダーから、組織のビジョン・ミッション・仕事内容・キャリア形成などを学ぶ
    • 共通スキル
      • ロジカルシンキングやマーケティングといったビジネススキルと、ネットワークからアプリケーション開発まで幅広いテクニカルスキルを、ワークを通じて実践的に学ぶ
    • BIGLOBEノウハウ
      • 現場で活躍するスペシャリストから、BIGLOBE独自のノウハウを学ぶ

毎週金曜日は丸々一日を共通研修に充てています。

「リーダーインタビュー」は新入社員の皆さんがBIGLOBEのリアルを知ることで、 一日も早く、そして、これからもずっと「生き生きと働ける」ようになることを目指した取り組みです。 新入社員の元気な様子に大きな手ごたえを感じています。

リーダーインタビューの進め方

  1. 事前、2. 当日、3. 事後、にステップを分けて説明します。
リーダー 新人 事務局
事前 テンプレートを参考に、説明資料を作成 スケジュール調整、資料作成依頼
当日 資料を使って説明(Google Meet) インタビュアーになって深掘り
事後 アンケート回答 社内ブログにインタビュー記事を公開、一巡するごとにふりかえり フィードバックを元に改善

1. 事前

BIGLOBEの組織構造は、本部、部、グループの3階層です。 リーダーインタビューの対象は、部長とグループリーダーにしています。

事務局がリーダーのスケジュールを確保し、リーダーにテンプレートを渡して資料作成を依頼します。

リーダーはテンプレートを参考に、説明資料を作成します。

狙い

従業員が生き生きと働ける環境を作るために、次の3つが大切だと考えています。

  • お互いを良く知っている
  • 組織が目指す方向性に共感している
  • 挑戦する風土がある

そこで、次のようにテンプレートを設計しました。

  • 赤裸々な自己紹介を通じて、少し遠い存在になりがちなリーダーを身近に感じる
  • 普段の業務では埋もれがちなビジョン・ミッションを、部長から聞く
  • ビジョンに向かって挑戦する宣言を、グループリーダーから聞く

部長とグループリーダーでテンプレートを分けているのがポイントです。 役割の違いを反映しています。

その一方、どちらのテンプレートにも「自己紹介」を入れています。 アイスブレイクとして、その人らしさが伝わるエピソードを最初に共有してもらいます。

部長用テンプレート

部長用の資料には、部のミッションとビジョンを記入してもらいます。

  • 自己紹介
    • 好きなこと・得意なこと・実は自慢したいこと、など
  • 部のミッション
    • 企業理念「つながる歓び、つなげる喜び」との関係
    • お客様や会社に対してどう貢献しているか?
  • 部のビジョン
    • どんな会社、部、グループにしていきたいか?
    • 求める人材像

グループリーダー用テンプレート

グループリーダー用の資料には、仕事の具体的な内容に加えて、メンバーの育成方針や、挑戦したいことを記入してもらいます。

  • 自己紹介
    • 好きなこと・得意なこと・実は自慢したいこと、など
  • グループの仕事
    • 仕事内容、仕事のやりがい
  • グループの育成方針
    • メンバーが成長するための工夫や取り組み
  • グループで挑戦したいこと
    • 部のビジョンを実現するために挑戦したいこと

2. 当日

BIGLOBEは新型ウィルス対策のため基本的には在宅勤務となっています。 そのため共通研修はオンラインで実施していて、当日は Google Meet でリーダー、新人が集まります。

リーダーが自己紹介、資料を使った業務紹介をした後、新人からの質問タイムへと移ります。 新人はインタビュアーになったつもりで、リーダー自身のこと、業務のことなどを根掘り葉掘り聞いていきます。

持ち回りで記事担当を決めることで「記事担当の新人が真剣に話を聞く」ことを狙ったのですが、 実際にやってみると記事担当かどうかは関係なく、全ての新人が熱心に質問をしてくれます。嬉しい誤算です!

回を重ねるごとに質問の内容も高度になっていて、新人の伸びしろに驚くばかりです🚀

最近は司会進行も新人が担当してくれています。頼もしい限りです💪

新人からの質問例

インタビューと記事執筆を重ねていく中で、どんな質問をすると「面白い記事・読まれる記事」になるかが分かってきたそうです。

  • 今までで一番「やらかした」失敗の話を教えてください。そこからどんなことを学ばれましたか?

失敗談自体から学べることはたくさんあります。 さらに「失敗した時に周囲がどうサポートしてくれたのか」のエピソードから、新人たちはBIGLOBEらしさを学び取ってくれているようです。 記事にするととても人気が出ます。

  • BIGLOBEが他社と比べて、強いところ、弱いところはどういうところでしょうか?

インターネットは世界中の組織と協調して維持する必要があります。そのため、BIGLOBEは常日頃から社外との連携がとても多い会社です。 リーダーたちは社外との交流が多く「社外からBIGLOBEがどう見えるのか」の視点を持っています。 社外と比較することで、BIGLOBEの特徴が良く分かるそうです。

3. 事後

記事担当の新人はインタビュー内容を記事にまとめ、社内ブログで公開します。

アウトプットするのは、時に苦しいものです。 それを少しでもサポートできるように、と開催した「最後まで読ませる文章作成講座」については、すでに紹介させていただきました。

style.biglobe.co.jp

BIGLOBEには優しい人が多いので、社内向けにどんなアウトプットをしても受け入れてくれるのですが、 記事の内容が面白いと社内からの反響も大きいため、それぞれが工夫を凝らして記事を書いていきます。

例えば、固定回線として世界で初めて「NAT64/DNS64」と呼ばれる技術を商用化した(2019年10月28日時点、MM総研調べ)N澤さんへのインタビュー(世界初への挑戦!インターネットを快適にするNAT64/DNS64とは?)は、社内ブログでは

【業務紹介】ホンネを言うと攻めたことだけでなく守ったことも褒めてほしい

というタイトルの記事になりました。

非常にチャレンジングな取り組みで、高い評価を受けた仕事ですが、N澤さんのグループは他にも重要なインターネットサービスを運用しています。目立つ仕事だけではなく、目立たない仕事があってこそ、インターネットが快適に使えるようになっていることを「おやっ?」と思わせるタイトルをつけて記事にしてくれました。

新人たちのふりかえり

新人たちがリーダーインタビューを通じて学んだことを言語化し、次のインタビューへと活かすため、記事担当が一周する度にふりかえりを実施しています。

先日のふりかえりでは、新人たちが「チーム」として、お互いをサポートし合いながら工夫を続けていることをお互いに再認識できました。

  • 記事担当でなくてもメモを取って置き、インタビュー後に共有している
  • Aさんの質問に対して回答があった後、Bさんがその回答に対して、さらに深掘りした質問をしている
  • いい質問だったらメモしておき、次回以降も使っている

「記事を通じて基盤本部のことを知ってもらう」という新人だけに与えられたミッションに向かって、力を合わせながら(時に面白おかしく)取り組んでくれています🎉

リーダーインタビューへのフィードバック

共通研修は、特にオンライン環境下で実施していることもあり、まだまだ改善の余地があります。 そこで、新人と、業務紹介を担当してくれたリーダー双方からのフィードバックを回収し、改善を続けています。

新人向けアンケート

まずは新人のアンケート結果です。 なんと全員が「次年度以降も継続すべき」を選んでくれています🎊

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図1 新人向けアンケート(オススメ度。10がオススメ)

さらに「働く意欲が引き出された」という回答も多く、リーダーインタビューの目的を果たせていることが分かります。

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図2 新人向けアンケート(働く意欲。10が引き出された)

インタビューに加えて記事を書くのは、慣れないうちはなかなかの負担なのですが、前向きに取り組んでくれていてありがたい限りです。 自由記述から、たくさんの「良い面」を見出してくれていることが分かります。

  • 自分がBIGLOBEを理解するだけでなく、社内ブログを通して理解したことを全社に共有できる。コメントを通じて部署を越えた交流が生まれるのが良いと思う
  • その部署でのやりがいや、他の部署とのつながりまで理解できる。その部署のことを知りたい人にとって、とても有益な情報を記録できていると実感している
  • 会議のファシリテーション能力、質問を考える能力、文章を書く能力が鍛えられている
  • 在宅勤務だとチャットで話しかけることになるが、そのハードルが下がった

リーダー向けアンケート

続いてリーダーからのフィードバックです。 改善が必要な点はあるものの、この取り組みに賛同する声を多く集めることができました。

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図3 リーダー向けアンケート(オススメ度。10がオススメ)

リーダーから見た良い点は次の通りです。

  • 幅広い業務・幅広い技術が必要になる基盤本部について、新人が横断的に学べる
  • 新人はもちろん、社内ブログを通じて、全社に部やグループの活動を知ってもらえる
  • 新人だけでなく、キャリア採用入社の方のオンボーディング資料になる
  • 業務を説明する事で、自分たちにも学びがある
  • 新人の真剣な姿勢に刺激を受けた

その一方で、改善したい点も挙がっています。

  • オンラインでの講義だと一体感を出すのが難しい
  • リーダーの準備や、新人の記事作成の負担を軽減したい

オンラインでの一体感については、新人からも同様の声がありました。 とても意義ある活動なので、さらに工夫を重ねていきたいと思います。

まとめ

BIGLOBEで実施している新卒エンジニア向け研修から、リーダーインタビューについてご紹介しました。 基盤本部の持つ幅広い業務・幅広い技術について、現場のリーダーに直接教えてもらう研修です。

話を聞く新人に責任感を与えるため、聞いた内容を記事にまとめる当番を作ったのですが、 全ての新人が熱心に質問をしてくれる、という嬉しい誤算もありました。

リーダーからの赤裸々なエピソードと、ビジョン・ミッション・挑戦したいことをまじえた話は、 新人から「BIGLOBEで生き生きと働く意欲」を引き出しています。

コロナ禍という未だかつてない状況の中でも、オンラインで新人研修を継続できているのはインターネットがあるおかげです。 「インターネットは、すごい!」とあらためて感じています。そして、このインターネットをお客様に提供できることは、私たちの誇りです。

私たちと一緒にインターネットで社会を支えていきたいエンジニアを大募集していますので、もしよろしければ採用情報をご覧になっていってください。

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