こんにちは。BIGLOBE Style編集部です。
今回は、「実践で成長する組織体への変革」を掲げるBIGLOBEの事業プラットフォームにおける今後のビジョンや、“Spotifyモデル”を基にした新しい組織体制などをご紹介します。
インタビュー対象者はホームインターネットサービス部 部長兼ビジネスアジャイル室 室長の山屋 英樹(ヤマヤ ヒデキ)。この記事を読んでいただくみなさんに、BIGLOBEがどんなミッションを掲げ、これからどんな組織に変わっていくのかを感じていただける情報を届けします。
面白い挑戦とより愛着を持った商品・サービスを創るために、新たなミッションを
ホームインターネットサービス部 部長 兼ビジネスアジャイル室 室長
1993年 4月 株式会社NEC総研 入社
2000年12月 日本電気株式会社 (出向)
2004年12月 日本電気株式会社 入社
2011年 3月 ジー・プラン株式会社 取締役(出向)
2014年 4月 ジー・プラン株式会社 代表取締役社長(出向)
2016年 1月 ビッグローブ株式会社 復帰
現在に至る
――― 今回、BIGLOBEの事業プラットフォームで新たなミッションを掲げました。まずは、その背景についてお知らせください
私たちBIGLOBEは、ISPやMVNO(仮想移動体通信事業者)としてインターネットサービスを提供していますが、なかなか他社の商品に対して差別化しづらい環境にあります。そのような中でも、「エンタメフリー・オプション」(定額料金でデータ通信量の制限なく、YouTubeなど対象の動画や音楽が楽しみ放題になる)や、携帯電話の月額使用料から社会貢献活動への寄付が行える「donedone(ドネドネ)」など、特徴あるサービスも作っている自負はあります。しかし、今後もそういった事業が生まれる仕組みを作っていくにはいくつか課題があり、その解決策として新たなミッションを掲げました。
――― 今まではどのような課題があったのでしょうか?
組織が大きくなるにつれて、社員の役割が固定化してきたところに課題を感じていました。大企業が通りやすい道ですが、この話をするには、過去に遡ってBIGLOBEのこれまでのカルチャーを紹介する必要があります。
BIGLOBEはもともとNEC(日本電気)の一部門で、私自身も2000年に社内公募制度で手を挙げてBIGLOBE事業に加わり、現在に至るまでの組織の変遷を当事者として見てきました。当時20代後半から30代前半のメンバーが意欲を持って自ら立ち上がり、面白いチャレンジを数多く手がけました。
例えば、Google検索エンジンを日本で初めて採用したり、早くから動画配信サービス「BIGLOBEストリーム」(サービス終了)を手がけたり、画像投稿やトレンド情報などのWebサービス「ついっぷる」(サービス終了)を提供したりと、「挑戦すること」や「お客さまが望んでいるものを創る」という気持ちが前面に出ていたと思います。この頃のように、お客さまに良いサービスを届けるために新たなチャレンジをしていくBIGLOBEのDNAを覚醒して欲しいという気持ちも込めてミッションを掲げたのです。
――― 具体的にどのようなミッションになったのでしょうか?
1つ目は、お客さまに末長く使っていただくサービスを創出すること。そのために、「強いサービス・プロダクト」と「トガった技術」というキーワードを掲げています。これは、まさに先ほど触れたDNAの部分で、挑戦する意味を込めてビッグローブマインドのひとつでもある「トガる」というマインドを入れました。
2つ目は、VUCA時代に生き残る事業プラットフォームを創ること。そのために、「Agility」「Cloud Native」「No-code, Low-code」というキーワードを選んでいます。VUCAとは、一言で言うと「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味し、こういった時代には、アイデアが出たらすぐにプロトタイプを作って市場の評価を受けて改善するAgilityが必要なのです。その点、BIGLOBEの開発規模の大きいISP関連サービスは、最近までウォーターフォール開発で進めてきましたが、今後はアジャイル開発でサービスを立ち上げ、コアなものは外注せず自分達で作っていく組織へと変えていくためにミッションを作りました。
最後の3つ目は、業務一つひとつを徹底的に効率化し筋肉質な経営にすること。そのために、「業務プロセスのデジタル化」や「徹底的なコストダウン」を行っていくという経営視点のキーワードを入れました。過去のプロジェクトでは、サービスやプロダクトをリリースしても、その後に手作業や運用が残るケースがあったからです。デジタル化するということは、基本全部システム化され無駄なくオーダーできる組織体制にすることで、これができればコストダウンにもつながると考えています。
――― そして、このミッションを実現する新しい組織体制として「Spotifyモデル」を参考にしたとお聞きしています。
そうです。プロジェクトごとにサービスを作って、リリースしたら解散という流れを終えないといけないと私たちは考え、そのための組織モデルを探していました。もちろん今までもプロジェクトの成功に向けてメンバー一人ひとりが動いていましたが、商品・サービスにより愛着を持って良くしていこうという動きにしていくには、音楽ストリーミングサービス「Spotify」が掲げる組織のモデルがBIGLOBEにもあっていると考えたのです。
結果を出すために、Agilityにこだわった組織として行き着いたモデルへ
――― 新しい組織体制とは具体的にどんなイメージなのか教えてください。
今までは職能ごとで担っていた仕事を、「トライブ(Tribe=部隊)」と呼ばれる部署の中に、チームである「スクワッド(Squad=分隊)」を設け、担当するサービス領域を決め、サービスの企画から設計・開発・運用までひとまとまりに動くイメージです。結果を出すためにAgilityにこだわった組織として行き着いたのがこの形になります。
――― BIGLOBEの課題やビジョンに合わせた組織体制なのですね!
そうです。もう少し具体的に紹介すると、プロダクト軸での30人から50人規模のトライブを4つ作りました。それぞれ、ホームインターネットトライブ(サービス部)、モバイルインターネットトライブ(サービス部)、パーソナルソリューショントライブ(サービス部)、エンタープライズトライブ(サービス部)です。それに紐づくチームがスクワッドで、それぞれ10〜15人が役割を越えて担当するプロダクトの目標を達成するために動きます。
――― 日本の企業ではあまりない組織のモデルだと思いますが、実際に導入してみていかがでしたか?
9月の中旬くらいから社内説明会を2回開催し、10月から一気に導入しました。いろいろな部署やチームの動きを見るクロスファンクショナルな組織体制なので、最初は自分がどう動けばいいんだろうと迷った社員もいると思います。しかし、組織の向かいたい方向性や課題感は共有していたので、一人ひとりが自分たちでよく考えるようになったのはひとつの大きな成果です。
実はこのSpotifyモデルも賛否両論があるようですが、私たちもメリット・デメリットを理解した上で最適解を取り入れる「BIGLOBEモデル」を作っている最中です。週1回1時間は打ち合わせの場を設け、前向きに意見や感想を言い合い、みんなで課題を解決していこうという雰囲気になっているのが良い点だと感じています。
新たな組織を作っていく、面白いフェーズを共に
――― 今回のミッションや組織体制は、どのようなビジョンのもとに動いていくのでしょうか?
BIGLOBEの開発規模の大きいISP関連サービスはまだウォーターフォール開発がメインです。そのためまずは、新しいサービスをアジャイル開発に切り替え、今回決めた新しい組織体制を地ならししながら、第一の目標はプロトタイプを2022年に生み出していくこと。その一つひとつのアクションが実った結果として、10年後も生き残る企業としてのあり方を磨いていきたいと考えています。
――― 最後に、この記事を読んでいただいた方にメッセージがあればお願いします。
この記事を読んでいただいているみなさんは、違う組織の違う環境で育ってきたはずなので、新しいことに取り組む私たちと、ぜひこのタイミングで一緒に成長してくれると嬉しいですね。日本にはあまりない組織モデルなので、この1年くらいはみんなで作り上げていくとても面白いフェーズになると思います。
そして、組織体制作りはあくまで手段で、このモデルでミッションを実現した先に、より良いサービス・プロダクトを作り上げることが目的になります。
私は20年近くBIGLOBEを見てきましたが、昔は自分の役割に収まるのではなく、お客さまが望んでいるものを作りたいという想いにあふれていました。そして、BIGLOBEに脈々と残っているこのDNAを、今の時代に合わせて発揮するチャンスが今、だと思っています。ぜひ、この挑戦をともに歩んでくれる仲間になって欲しいですね。
今回ご紹介した組織では、共に挑戦し成長してくれる仲間を募集しています。ご興味のある方はこちらの採用情報をご覧ください。(このポジションの募集は終了しました)
※ Googleは、Google LLC の商標です。
※ YouTubeは、Google LLC の商標です。
※ 記載している団体、製品名、サービス名称は各社の商標または登録商標です。