BIGLOBEの「はたらく人」と「トガッた技術」

「プロダクト別組織」への移行から半年。その後の3つの変化と、見えてきた可能性とは

久野 雄一郎

こんにちは。BIGLOBE Style編集部です。

今回は、2021年10月に組織の体制変更があって以来、どのような変化や成果があったのかをご紹介します。

インタビュー対象者はホームインターネットサービス部 グループリーダー 兼 ビジネスアジャイル室 エキスパート 久野雄一郎。この記事を読んでいただくみなさんに、BIGLOBEがどんなミッションを掲げ、今、どんな組織に生まれ変わろうとしているのかを感じていただける情報をお届けします。

※撮影時のみマスクを外しています。

自発的に考え、動くことを大切にしている組織

久野

—— まずは、久野さんのご経歴を教えてください。

 

2000年に新卒でNECに入社しました。当時、BIGLOBEはNECの一部門で、私はそこに配属されたので、以来20年以上BIGLOBEに関わっています。

 

最初の数年は事業企画部門を経験しましたが、以降は一貫して特定の商材の商品企画やサービス仕様設計の役割で経験を積んできました。時代とともに取り扱う商材が変わり、会社の成長に合わせて自身のキャリアも広がっていきました。

 

「つながる歓び、つなげる喜び」という企業理念が制定されたときは20代後半か30代前半だったかと思いますが、とても共感したのを覚えています。企業のミッションや文化と、私のやりたいことが合っていると感じながら今に至るまで仕事ができています。

 

—— 20年以上この会社を見てきて、改めてBIGLOBEはどんな組織だと感じますか?

 

BIGLOBEは通信業界というとても変化が早い分野に身を置く中で、努力と苦労で変化に対応してきた会社だと思います。先ほど触れた「つながる歓び、つなげる喜び」を実現することを、愚直に目指してきた会社ではないでしょうか。

 

また、この間に私は一担当者としてやりたいことを主張し議論しながら仕事を進めてきたので、この会社や環境が嫌になることはありませんでしたね。それはBIGLOBEが社員一人ひとりの想いを聞いてくれる会社だからこそだと思いますし、BIGLOBEはどんな組織だと聞かれると、そのような風通しの良さがある会社だと答えます。

 

—— 長年ここで働かれている久野さんだからこそ、伝わるものがあります。

 

入社してから今までを振り返ると、もし不満があったとしても、解消するために動いてくれたり、意見を尊重してくれる上司に恵まれてきたと感じます。印象に残っているのは「『会社』なんていう人はいないので、『会社の意見』なんてものは最初は存在しないんだ。必ずだれか個人の意見が発端で、合意された結果、会社の意見になるんだぞ」という上司の言葉。鶴の一声やトップダウンで決まることはない組織だなと、その時に感じました。

 

—— 久野さんは今回、まさにそんなBIGLOBEの組織変革に関わっています。具体的に、どんなことをされているのかを教えてください。

 

私がいるホームインターネットサービス部は、ご家庭で使うインターネットサービスを提供していく部署になります。その組織変革が、2021年10月に発表し、BIGLOBE Styleでも部長の山屋がインタビューに応えている「プロダクト別組織」がまさにそれになります。

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私もこの仕組み作りに参画し、より良いサービスを提供するための業務品質の向上や、人材育成の責任を担っています。関わる際のポイントとして、以前から社歴が長い人が全て指示する構造だと、その人がボトルネックになりえるし、みんなの成長を妨げてしまうという思いがありました。そこで、持っている知識やノウハウを活用してみんなを支えるポジションを定義し、私自身がその役割を担っています。

 

また、BIGLOBE全体で見ても、誰かの意見をそのまま実行するのではなく、自分たちで自発的に動くことを大切にしており、みんなの成長を支えながら、私自身も成長していきたいと考えています。

 

業務を分業することの課題感と、解決策

久野 雄一郎

—— 今回の記事では「プロダクト別組織」の今と、今後についてお聞きできればと思います。改めて、この組織変革を行った背景をお聞きしてもよろしいでしょうか。

 

例えば、企画担当は企画書を書く人、設計担当は企画を受けて具体的な設計をする人、開発担当は設計をもとに実際に動くシステムを構築する人です。こういった役割の細分化によって、各メンバーはその自分の役割や機能をこなす仕事に注力する風潮がありました。この役割分担がうまく回っていればいいのですが、分担が失敗すると、仕事の抜け漏れや重複など効率と品質面でどちらにも良くないことが起こりやすい状況が生まれます。事業領域や会社規模の拡大により、そのリスクが高まっているとも感じています。

 

そこで、1つの商品を軸にいろいろな役割を持った人が集結することで、課題を解決する手段になるかもしれないと考えたことが組織変革の背景です。プロダクトごとにチームがあって、専門領域で分担しながら仕事をするような組織をずっと作りたいと思っていました。

 

—— 組織の成長と共に、組織の課題も見てきた久野さんだからこそ感じることもあったのでしょうか。

 

BIGLOBEがもっと規模が小さかった時代を振り返ってみると、隣の部門との距離も近く、部門や役割を越えて協力しながら仕事を進めていくことができていて、そのカルチャーが品質も業績にも繋がっていました。

 

しかし、弊社に関わらず組織の規模が大きくなると、どうしても分業しないといけないところが出てきます。実際、調べてみると同じような課題を持った会社が多かったので、一般的に紹介されている情報や事例を収集した上で、BIGLOBEにあったやり方を考えてできたのが「プロダクト別組織」です。

 

試行錯誤しながら、目的を実現する道筋を描く

久野 雄一郎

—— 実際に組織変革を実行してみて半年(インタビュー時2022年4月)経ちましたが、どのような変化がありましたか?

 

インターネット接続サービスとして、新しい商品が生まれる頻度はそんなに高くはありません。そのため、今回は自社サービスを強くしていく、より良くブラッシュアップしていくための活動になります。その上で、3点メリットがあった、もしくはこれからあるかなと感じます。

 

—— 3点、教えてください。

 

1つ目は、チームで課題を解決していく姿勢です。

課題に取り組んでいる人が一部だけだと、視点が狭くなります。プログラミングをしているエンジニアだったり、電話に出るコールセンターのメンバーだったり、それぞれが感じているプロダクトの課題が存在していて、今までは吸い上げられなかった意見も一緒に活動することで情報を集約しやすくなります。結果、ビッグローブマインドでもある「チームビッグローブ」(役割をオーバーラップして目標を達成する)や、「プロフェッショナルになる」(自律的、自発的に成果に向かって行動する)といった行動指針を体現できる組織になっていきます。

 

2つ目は、アジリティです。

今までは品質重視のウォーターフォール型に近い開発プロセスを構築してきました。しかし、工程ごとに業務を受け渡すという概念があるため、スピード感を失ったり、前後工程には関わらず、役割分担がうまく回らないことがあるといった弊害が出てきたのです。

 

そのため、機敏さ、素早さとも訳すアジリティを向上するために、例えば開発工程を開発エンジニアだけで行うのではなく、設計や企画担当も加わり、前後それぞれが干渉しあってサービスの開発を進めていくスタイルを取り入れました。一見、前後の工程に人が増えると目先の仕事量は増えるかもしれませんが、全体のパフォーマンスやスピードが上がっていきます。もちろん、パズルや算数のように簡単にはうまくはいきませんが、そのやり方に皆で合意し、ゴールを決めて取り組んでいるところです。

 

3つめ目は、コストダウンです。

今までは1つのサービスを工程ごとに役割分担することで、結果無駄な業務が生まれていました。それが、プロダクトを中心に人が集まったことで、隣の人が何をやっているのかを知ることができ、業務改善が行いやすくなりました。結果、効率的に業務を進めることができ、コストダウンにも繋がっています。

 

—— 今は、手応えを感じはじめているフェーズでしょうか。

 

そうですね、まだ試行錯誤段階です。また、ゴールとして掲げている方向は共通認識ができていると思いますが、3年後にその状態を目指しているのか、3カ月後にその状態を目指しているのか、人によって違いが出てきているのが正直なところなので、組織全体で足並みそろえていかないといけないなと感じています。

 

ただ、今までは理想の姿を掲げても、後は個々人で考えるとなっていたケースもありました。しかし、今回は、私も兼務として所属しているビジネスアジャイル室のミッションとして、組織的に統制をとって進めていきたいと考えています。初めての試みなので、考えるよりやってみようという気持ちが強いですが、大小さまざまな課題があるので、優先順位をつけながら進めていきたいです。

 

—— その上で、久野さんが大事にしたいことは何ですか?

 

何のために組織変革をしているのか、その目的を大事にしたいです。例えば、働き方改革も残業を減らすことが目的ではなく、働き方を変えることで、より良い仕事ができるようになることが目的だと思います。プロダクト別組織も、その手段を実現することが目的ではなく、プロダクトに関わる担当者が自発的に考えて行動し、また、担当者同士の会話の頻度や質をあげることで、プロダクトをより強くしていくことができたら理想ですね。

 

世の中により良いプロダクトを提供していくため、できること

久野 雄一郎

—— プロダクト別組織を理想の組織形態にするために、社内のメンバーに対して伝えたいことはありますか?

 

この組織体制の目指すところは、誰かからの指示をただ遂行することではなく、プロダクトのために必要なことを自分たちで提案して、実行していくことです。だから、自分たちのプロダクトがより良くなるにはどうしたらいいかを常に考えて欲しいですね。

 

—— 久野さんご自身は今後どのようなビジョンをお持ちですか?

 

私自身は持っている知識やノウハウを活用してみんなを支えるポジションなので、自分でやりすぎないことですね。今回の組織変革の活動を通じて、より客観的に物事を見られるようになりました。私が向かいたい方向と、会社が向かっている方向はあっていると思うので、社内の人や新しく入社するメンバーも同じ方向を向けるような携わり方をしていくことが目標です。その上で、自分自身も成長していきたいと考えています。

 

—— 最後に、この記事を読んでいただいた方にメッセージがあればお願いします。

 

私たちは、通信で世の中を良くしていくことが企業の存在価値であり、今回の組織変革の活動でも、世の中により良いプロダクトを提供していくための環境を作っていくことを念頭に置きました。通信で人と人を繋ぐことでいろいろな課題が解決できたり、生活が豊かになっていくきっかけにもなるので、社会貢献のような側面もありますよね。ぜひ、その想いに共感し、一緒に組織を作っていける方と働きたいですね。

 

—— 本日はありがとうございました!

 

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