BIGLOBEの「はたらく人」と「トガッた技術」

チャットボット導入後のログ分析&コンサルを初受注! オムニチャネル推進室の挑戦

こんにちは。BIGLOBE Style編集部です。

BIGLOBEはご存知のとおりインターネット接続を主業務としていますが、他にもこれまで培ったノウハウを活かした、新規事業にも取り組んでいます。
今回ご紹介するのは、BIGLOBEで導入したAIチャットボットのノウハウを活かし、他社のチャットボットの導入後のコンサルティング業務をスタートさせた事例です。最初の自社サポートシステム導入の苦労話から、そのノウハウの横展開を決めた背景、苦労や奮闘と、得られた達成感をたっぷり伺いました!

左:土生 香奈子 (はぶ かなこ)
営業統括本部 オムニチャネル推進室 室長
大学では理工学を専攻。NEC入社後、教育事業部で各種プログラミング言語やWebサイト設計など数々の講師を務める。その後、社内公募でBIGLOBEへ参画し、ISP系のマーケティング、広告プロモーションサービス企画、広報PRなど幅広い分野を経て現在に至る。


右:伊藤 真世(いとう まよ
営業統括本部 オムニチャネル推進室 オムニチャネルグループ 主任
2020年8月中途入社。
前職では、大手印刷会社、広告代理店、調査会社、アパレル業界での営業やマーケティングに従事。

※撮影時のみマスクを外しています。

―――お二人の業務内容、ミッションを教えてください。

 

土生: 今私は、営業統括本部オムニチャネル推進室の室長を拝命しています。
オムニチャネル推進室は、カスタマーサポートのうち、お客さまと直接お電話で対応する「以外」でのサポート推進・強化に取り組んでいます。具体的には、チャットボットや有人のチャットサポートといったノンボイス領域や、FAQの維持向上、ビジュアルIVR(以下、V-IVR)の導入など、今後主流となっていくサポートシステムをBIGLOBEに導入推進していくミッションを担っています。

伊藤:私は2020年8月に中途で入社しました。今は有人チャットサポートのデータ分析やPDCAサイクルからの改善業務と、今回のテーマである「チャットボットコンサルティング」を担当しています。

 

BIGLOBEでチャットボットを導入後の試行錯誤の日々

 

―――「チャットボットコンサルティング」は、BIGLOBEがチャットボットを導入した後の分析ノウハウを他社にご提供するものと聞きました。BIGLOBEで導入した際はどのような状況だったでしょうか?

 

土生: BIGLOBEでは2018年夏にAIチャットボットとV-IVRを活用したサポートサービスを導入しました。基本的にAIチャットボットでお客さまを自己解決へナビゲートするのですが、もしも解決できなかった場合は、有人のチャットサポートへシームレスにつなぐシステムとなっています。4カ月という短期間で導入するというプロジェクトで、それは苦労もありましたが、メンバーを信じて一丸となって進めることで、無事導入することができました。

当時の状況はこちらでもご紹介しています。

style.biglobe.co.jp

チャットボットは導入がゴールではなく、そこからがスタートです。導入直後はチャットボットでの回答表示率は60%、そこからの正答率は50%というまだまだの精度でした。その精度を上げるために蓄積されたデータを読み解き、AIエンジンに学習データとして投入していくわけですが、そのデータの読み解きはAIではなく、私たちが手動で行っています。そもそも、どのログを見てAIに投入するデータを導き出すかなど、一つひとつの作業が試行錯誤の連続でした。

また、チャットボットの精度を上げるだけでなく、たとえばチャットボットを利用する際の画面遷移が適切なのか、表示するメニューの文言がお客さまのニーズと合っているのかどうか、施策トータルでのPDCAサイクルを回していく必要があります。壁にぶつかりつつ努力を重ねた結果、2022年9月現在では回答表示率は95%以上、正答率も80%を超えるという高い精度となっています。

土生 香奈子

―――土生さんの笑顔の裏に、相当の苦労があったと推察します…。さて、伊藤さんはそんな中2020年8月に中途入社されました。入社のきっかけとなったことはありますか?

 

伊藤:まさに、BIGLOBE Styleの土生さんのインタビュー記事を見て、私の求める仕事だと直感したのがきっかけです。私はさまざまな業種、企業で経験を積んできましたが、データを読み込んで施策に活かして行くようなマーケティング業務に取り組んでいきたい、しかもスピード感を持って、改善サイクルを回していけるスタイルを求めていましたので、「これだ!」と思いました。また私は子育て中ですが、ママが戦力として活躍する会社ということも後押しになりました。

中途入社の経緯はこちらの記事でも紹介しています。

style.biglobe.co.jp

コロナ禍のカスタマーサポートを支えたのは、データを深掘りして改善につなげる地道な作業

 

―――伊藤さんはコロナ禍の状況での中途入社となりました。苦労もあったのではないですか?

 

伊藤: 土生さんや直属の上司が定期的に時間を割いてオンラインミーティングをしてくれましたし、段階的に難易度を高めた業務をアサインしてくれるなど、配慮をすごく感じました。またBIGLOBEでは中途入社の社員に対して垣根が低くて、転職経験豊富(笑)な私にとっても、すごくやりやすかったです。

伊藤 真世

―――伊藤さんは、現在有人チャットサポートを担当されていますが、入社後の担当はチャットボットだったのですよね?

 

伊藤:はい。チャットボットはいろいろなログからAIエンジンに投入するデータを読み取る作業が必要です。最初の数カ月は蓄積されたログをひたすら読み込む時間をもらいました。データや数字を見るのが好きな私にとって至福の時間でした(笑)。

その間に得られた知識や多数の仮説で、チャットボットのチューニングやPDCAサイクルを回す作業を進めていくことができました。

土生: 2020年夏といえば、ちょうどコロナ拡大の初期で、コールセンターが非常に繋がりにくい状況でした。というのも、感染防止のためにお問い合わせ窓口を一部縮小していましたから。否応なくチャットボットへの誘導を強化する必要に迫られました。その結果、チャットボットの利用率が急激に伸び、得られるログも膨大な数となりました。このおかげで、AIエンジンに投入すべき学習データを強化できる、そんなホットな状況が生まれたんです。伊藤さんはまさに、その中で私たちに合流してくれました。

 

お客さまの「困った…」を「なるほど、わかった!」に導きたい。コンサルティング事業が生まれた背景

 

―――今回は特に、BIGLOBEの分析ノウハウを活かしたチャットのコンサルティングを受注できたお話を伺います。貴重なノウハウかと思いますが、それを外販しようと思った背景などについて教えてください。

 

土生: カスタマーサポートの業務に就いてから、異業種の方々と意見交換させていただく機会を作るように意識しました。さらに、カスタマーサポート系の専門雑誌の取材も積極的に対応し、年に複数回開催される大きなカンファレンスなどの登壇依頼には、基本的に応じるようにしています。さまざまな企業が参加している場所で登壇させていただくのは、BIGLOBEのプレゼンス向上にも貢献できるので。

そんな中感じたのは、私たちのチャットボットの経験談や改善事例についてお話しすると、聴講者の皆さまにとても喜んでいただけるということです。もちろん各社で目的や戦略は違いますので、一概に私たちの経験が他社で役立つ訳ではありません。ただ、カンファレンスなどでの参加者の熱気を目の当たりにして、「みなさん、結構悩まれていて、お困りなのだな」ということをすごく感じました。

そんなお困りの方々の「悩みを解決」し、喜んでいただけたら・・・さらにこれが、会社の利益になる、社会にも貢献できる、そういう取り組みをしてみたい、できる!と思ったのがスタートです。

土生 香奈子

BIGLOBEで行われた、仕事とSDGsを結びつける「SDGsワークショップ」にて、他社のチャットボット導入サポート事業を提案。

ashita.biglobe.co.jp

 

―――チャットボットのコンサルティング業務の営業活動は伊藤さんが担当されたそうですね?

 

伊藤:前職での営業経験、特に飛び込み営業の経験を買われてのアサインだったと思いますので、パフォーマンスを出せるように頑張りました!とはいえ闇雲に営業する訳ではなく、チャットボット製品を扱う会社にパートナーになっていただき、一緒に提案したり、メールでアプローチしたり、効率も考えて動いた結果、受注につなげることができています。

実際のコンサルティング業務では、より公平な視点でご提案をするために2名体制で分析を実施し、「1人だけがデータを見ている」状況を作らないようにしました。お客さまの大事なデータを分析し、改善のご提案をするという、今まで経験したことがない業務でプレッシャーもありましたが、結果として、お客さまからは大変前向きな反応とご評価をいただけています。

 

お客さまにとっての価値は、経験者だから語れる「分析の視点」と「改善提案」

 

―――初めての経験ということでしたが、苦労話などありますか?

 

伊藤:異業種企業のチャットのコンサルティングの場合、お客さまの業界用語や専門用語が分からないと提案内容の説得力に欠けるので、お客さまごとにその業界の勉強をしないといけない苦労はありました。

また、初めての取り組みなので、フォーマット作りやテンプレート運用なども全て一から作り上げる必要もあります。本当に期日までに報告書をまとめられるのか、自信が揺らぐ瞬間もありましたが、土生さんと一緒にタスク管理表を作って、確認しつつ確実に作業を進めていきました。

最終報告書は、土生さんに厳重に赤入れをしてもらったこともあり、お客さまにはご納得いただける成果物を出せたと思います。

伊藤

―――特にお客さまにとって「価値」になったと感じるものはありましたか?

 

土生:「分析の視点」や「改善の考え方」でしょうか。私たちが提供するのは、経験に基づいたデータの見方や分析方法、さらに実データからの改善提案です。お客さまが蓄積されているログデータを実際に拝見し、達成したい目標をヒアリングした上で、的確な改善提案を行えるのは、実際に、私たちが「困って」、「自分たちで解決」できたからです。

具体的には、膨大なログデータの「どの部分を深堀して分析」するのか?その「分析の視点」について、お客さまが自走できるように説明すること、さらには、導き出した改善提案をお客さまの腑に落ちるように実データに基づいて説明することを心がけています。「改善の考え方(ハウツー)」をご理解いただき、最終的にお客さまの目標が達成されるように提案できること、それらが、本コンサルティングの価値だと思っています。

実際のお客さまへの報告会では、私たちの説明に、お客さまがうなずきながらメモされていたので、納得いただけているのをあらためて感じました。

ノンボイス領域はさらに発展、今後も色々なことに挑戦したい

 

―――それではお二人の今のやりがい、今後の目標を聞かせてください。

 

伊藤:今は有人チャットサポートの担当をしています。チャットボットとは違い、交渉相手はコールセンターの現場の方々です。有人チャットサポートの膨大なログデータを分析し、その結果から導いた施策をいかに相手に納得してもらい、最適解に当てはめていくかという点に、今は面白さを感じています。また、今後も新規顧客のコンサルティング業務の経験も積んでいきたいです。

土生: チャットボットの分析手法やノウハウについて、業界を問わず講演や登壇の依頼をいただき、さらにトークセッションのパネリストとしても多数お声がけいただいています。説明するたびに、参加者の方々から「とても参考になった」「大変ためになった」とお褒めの言葉をいただけるのが、今とてもやりがいになっています。

コロナ禍以降、カスタマーサポートおけるコール(有人対応)以外の領域=ノンボイス領域の需要は、非常に高くなってきました。このノンボイス領域での対応をさらに伸ばして、トータルでBIGLOBEのお客さまの満足度を上げていくことが目標です。

チャットボットのコンサルティング業務については、リカーリングモデル型になるよう検討を重ねていき、本業への貢献につなげていけたらと思っています。

 

―――最後にお二人のプライベートについて、どんなふうに過ごしているのか聞かせてください!

 

伊藤:子供がもうすぐ小学校に上がるので、その前に一緒に色々な体験をしたくて、釣り堀に行ったり、美術館に連れて行ったりしています。子供中心ではありますが、リフレッシュできる時間です!

土生: 20年以上前から、お稽古でフルートをやっているのですが、これがなかなか上手くならなくて。頬のたるみ防止のための修行だと思って、通っています。仕事以外の方々と、自由に音楽を奏でるのは、ストレス発散になりますし。そして、お稽古後は「パトロール」と称して、銀座を徘徊しています(笑)。

「忙しいでしょう?」とよく言われますが、日頃から「仕事は、優雅に、美しく」をモットーに、プライベートの時間も、伊藤さんをはじめ職場メンバーとコミュニケーションをとる時間も、確実に捻出するのが信条です!仕事もプライベートも、ますます充実させていきたいですね!

 

―――パワフルで前向きなインタビューをありがとうございました!今後もご活躍を期待しています。

💡一般社団法人サポートデジタル協会(SDI)が開催する、デジタルチャネルを活用した革新的なサポート体験を表彰するアワードにて、「Support DX Summit 2022」を受賞いたしました。

ビッグローブ株式会社
インターネットサービスプロバイダーのビッグローブ株式会社では、幅広いオムニチャネルの顧客サポートを提供。電話以外では難しいとされていた「リテンション」の対応を顧客心理に寄り添ったコミュニケーション設計により、チャットサポートで実現。

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