こんにちは。BIGLOBE Style編集部の吉田です。
BIGLOBEでは2024年4月に14名の新入社員を迎え、約2カ月間にわたり新入社員研修を実施しました。
なかでもユニークなのが、神奈川県小田原市を舞台に、デザインシンキングの手法を用いて、地域の課題解決につながるアイデアをまとめ発表するという研修です(小田原市のご協力を得て、今年で3年目の実施です!)。
テーマは、『世界が憧れる「美食のまち」を目指して』。
6日間の研修の最終日には、小田原市役所の方々を前にしてプレゼンテーションを行うなど、とても充実した内容となりました。
この記事では、その模様をレポート形式でご紹介します。
- 小田原に行く前に、デザインシンキング研修の基礎を学ぶ
- 自然に囲まれた小田原市。豊かな農水産物を訴求するには
- フィールドワークで、小田原の課題や魅力を発見
- 小田原市へ、研修の成果を発表
- さいごに
- 2026年卒向け新卒採用について
小田原に行く前に、デザインシンキング研修の基礎を学ぶ
研修の初日。
小田原研修の前段階として、東京本社でデザインシンキングの基礎を学びました。
「研修の目的は、デザインシンキングの知識を身につけ、実際に体験することで、職場で活用できるイメージをもつことです。」
そう話すのは研修講師の内田 智士さん(株式会社アイディアポイント)。イノベーティブな提案を期待しているとも伝えられました。
イノベーティブな提案とは?
・普通に考えていたら、絶対に出ないアイデア
・実現性があるもの
・意思決定者が『唸る』もの
事前研修のテーマは「飲食店での新しいサービス」。
3チームに分かれてデザインシンキングの基本プロセスである「観察・発想・プロトタイピング」を行い、イノベーティブな提案を目指します。
ランチタイムに外へ出てフィールドワークを行ったり、コーヒーを飲む動作を深く観察したりと、ニーズを探りアイデアのヒントを得ます。
時間のないサラリーマン向けに時短提供できるお店、気持ちよく相席できるお店、VR空間でひとりでも楽しめるお店など、短い時間でしたがどのチームもプロトタイプまでたどり着くことができました!
自然に囲まれた小田原市。豊かな農水産物を訴求するには
研修2日目。いよいよ小田原で実践です!
小田原市での研修が開催されたのは4月22日からの5日間。あいにくの天気でしたが、街や観光客を観察しながら会場入りしました。
はじめに、小田原市副市長(当時)の鳥海 義文さまより、地域課題と提案への期待を説明いただきました。
「小田原市は鉄道の乗り入れも多く、生活の利便性が高いだけでなく、自然や歴史文化も魅力です。農水産物も豊富で、今年大豊漁で話題となっている春ぶりや、かまぼこなどの伝統的な産品もあります。国内外の観光客が増えている現在、小田原の食や食文化を広め、地域経済の好循環につなげていきたいと考えています。新入社員のみなさんのアイデアに期待しています」
次に、小田原市経済部観光課の杉﨑 恵理子さまより、小田原市が考える「美食のまち」とは何か、これまでの取り組みと今度の方向性について説明いただきました。
「美食のまちの定義は、世界が憧れる小田原の食文化“ヒト・コト・モノ“があるまちです。食に関わる多くの人々、豊富な農水産物、そして食に関連する体験イベントを通じて、小田原の素晴らしい食や食文化を広く知っていただくことを目指しています。
BIGLOBEの企業理念“つながる歓び、つなげる喜び”のように、小田原市でも市内の食に関わる多くの方とつながり、その魅力を世界に発信して、地域経済の好循環を生み出そうと考えています。ぜひ若者らしい斬新なアイデアを期待しています!」
「おだわら若者応援コンペティション」について
小田原市では、令和5年より「おだわら若者応援コンペティション」を実施しています。公民連携で魅力的なまちづくりを進めるため、若者ならではのアイデアを募集し、そのアイデアの具現化を支援するものです。
未来創造・若者課の長﨑 真治さまからは、BIGLOBE新入社員のアイデアも今回に留まることなく、ぜひ具現化に向けてチャレンジしてみてほしいとお話をいただきました。
説明後の質疑応答では、ターゲットとする年齢層や、すでに行われている取り組みなどについて、活発な質疑が行われました。
フィールドワークで、小田原の課題や魅力を発見
小田原市役所の方々からいただいた説明をもとに、いよいよフィールドワーク開始です!あらかじめ決められた3つのチームに分かれて小田原駅、小田原城、かまぼこ通り、漁港などさまざまな場所へ向かいました。
フィールドワークの後は研修会場へ戻り、観察して気づいた事実を付箋で出し合い整理しながらアイデアとなるヒントを探ります。
ここで、フィールドワークで感じた「各自取り組みたいテーマ」を共有し、考えの近い仲間とチームを組みなおします。
テーマの選定に難航し、かなり時間を要しましたが、無事チーム編成を完了しました。
新しいチームでテーマの方向性や翌日に向けての課題を確認したところで、研修2日目は終了です。盛りだくさんな内容でしたね!
夜は温泉で心身をリフレッシュし、美味しい夕食をいただきました。
研修中は「天成園 小田原駅 別館」に宿泊しました。
BIGLOBEは、固定回線・モバイル事業のほか、地域・社会貢献事業など多岐にわたり展開しています。
たとえば「ONSEN WORK」では、温泉地でテレワークすることで、「企業」「従業員」「温泉地」の三方良しを実現する新しいワーケーションを紹介しています。
今回の本研修も「研修×ONSEN WORK」という試みで、天成園(別館)の温泉に浸かって思考の整理をしたり、疲れをリフレッシュしながら小田原市の地域課題に取り組みました。
天成園 小田原駅 別館
https://workation.biglobe.ne.jp/onsen/odawara-tenseien/
研修3日目〜5日目。デザインシンキングの基本プロセスである観察、発想、プロトタイピングを高速で回します。
途中で小田原市役所の方とのセッションの機会をいただき、現時点での課題の捉え方や、課題解決の方向性について確認しました。そこでいただいたご意見を踏まえて、改めてターゲットは誰か、価値を提供するためには何をすべきか、実現するには誰を巻き込めばよいかなどをチームで話し合い、次のアクションへつなげます。
繰り返し行ったフィールドワークでは、天気に恵まれた日に海へ向かったチームも。景色がとても美しいですね!
慣れない街で見知らぬ人々にヒアリングするのは勇気が必要ですが、回数を重ねるにつれて、徐々に慣れていく様子が見られました。特に、自分たちのアイデアの鍵となる関係者(ターゲット、店舗、漁港など)にアポイントメントを取り、積極的にアイデアに対するフィードバックを受ける姿勢は非常にアグレッシブでした!
また、今回の小田原研修では、従来のプログラムに加えて「事業計画の書き方」についても学びました。自分たちで運営コストや予想される収益などのマネタイズとビジネス展開について考え、発表内容に盛り込みます。
研修6日目(最終日)。
研修も大詰めです。チームごとに、数字に強い人やグラフの見せ方がうまい人、スライドの作りこみが得意な人など、それぞれの強みを活かしてブラッシュアップに励みます。そして、午後はいよいよ成果発表です!
小田原市へ、研修の成果を発表
午後からは小田原市役所の方々も参加し、ご挨拶をいただいてから各チームのプレゼンテーションを行いました。
最初に発表するチームのタイトルは「こゆるぎ美SHOCK」。
「小田原市=美食というイメージを浸透させるため、小田原市の美食と映えを組み合わせたアイデアで、小田原に新たな衝撃を与えます」
具体的には、小田原城址公園内の木々をライトアップして幻想的な空間を演出し、キッチンカーで小田原名物や花にちなんだ飲食物を提供。また、その周囲には秘密基地のような休憩所を設けるなど、食べ歩きやインスタ映えを意識したコンテンツを若い世代に提供するというアイデアです。
この施策を通じて、周辺の飲食店への集客を促進するため、飲食店では花にちなんだコラボメニューを販売することも提案。飲食店へのヒアリングでは、前向きに検討したいというフィードバックが得られました。
次に発表するチームのタイトルは「海サウナ~小田原の食を添えて~」
「美味しい食べ物と美しい御幸の浜。この2つをかけ合わせたプロジェクトです。御幸の浜に設置したサウナと、手ぶらで楽しめる小田原産物のバーベキューを提案します」
具体的には、御幸の浜に設置したテントサウナでリラックスし、海を眺めながら整うという非日常体験を提供。テントサウナでは、プライベート空間で会話を楽しみながら、規格外の湘南ゴールドを利用したロウリュウを体験することができ、SDGsの促進にも貢献します。また、サウナの後は小田原の産物が並ぶ「海マーケット」でバイキング形式のバーベキューを楽しむことができます。
海開き期間に開催するとしたマネタイズを発表し、海の家の経営者から斬新なアイデアだという前向きなフィードバックを受けたとのことです。
最後に発表するチームのタイトルは「ほったらかしチルビーチ〜他にない非日常体験〜」。
「小田原御幸の浜海岸の自然の魅力を生かし、日の出や夕日を見ながら、手ぶらで飲食ができるチル体験サービスを提案します。」
チルとは特にSNSや若者の間で使われる言葉で、ゆっくりくつろいだり、落ち着いた雰囲気でのんびり過ごしたりすることを指します。そこで、海岸にハンモックやソファでチルスペースを創出。また、入退場システムにはQRコードを利用し、小田原の食材を提供するための冷蔵ロッカー型自販機を設置することで、人々の目を気にせずにリラックスして過ごすことができるというアイデアが盛り込まれました。
このサービスの収益化には、企業版ふるさと納税を利用して資金調達を行うことも提案。海岸管理者へのヒアリングを通じて、海岸への建物建設に関わる法律や規制についても詳しく調査したことも語られました。
小田原市のみなさまからは各チームへのフィードバックと、「市外の方からの提案は貴重。若者らしい着眼点の素晴らしい提案だった」「それぞれの魅力的な提案を組み合わせるなどして実現できるよう参考にしたい」と総評をいただき、発表は無事終了しました。
関係者全員で記念撮影をして、小田原市デザインシンキング研修は全て終了です。
小田原市のみなさま、ありがとうございました。
さいごに
社会人となり初めて外に向けて自分たちのアイデアを発表することは、大変貴重な経験になったと思います。また、提案の完成に向けて知恵を出し合い、多くの壁を乗り越えた経験は今後のキャリアにもきっと役立つはずです。新卒同期同士、寝食を共に過ごした思い出も大きな財産になったのではないでしょうか。
ぜひ今回学んだことを仕事に活かしていただけると嬉しいです。これからの活躍を心から楽しみにしています!
2026年卒向け新卒採用について
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