こんにちは。BIGLOBE Style編集部の吉田です。
BIGLOBEの開発部門(プロダクト技術本部)では、「新人エンジニア育成プログラム」を1年かけて実施しています。
今回の記事では、そのプログラムを終えた7名のエンジニア(2023年4月入社)による成果発表会の様子をレポート形式でお届けします。入社時からどのように成長したのか、どうぞご覧ください!
はじめに
この成果発表会は、1年間お世話になったコーチや上司、幹部の方々に成長ぶりをアピールする節目のイベントです。発表後には上司や幹部からフィードバックが得られる貴重な機会でもあります。
そして、今年度の新入社員も聴衆として参加し、1年後の自分の姿をイメージしながら、しっかり目に焼き付けます。
新人育成プログラムとは
成果発表の前に、新人エンジニア育成プログラムの背景を説明します。このプログラムは、週1日の集合研修と週4日のOJT(On the Job Training)を1年間続けます。
BIGLOBEが提供するインターネットサービスは、今や社会に欠かせないインフラとなっています。そのため、お客さまに影響のあるミスはゼロにしなければいけません。しかし、人は失敗から多くを学びます。そこで、安心して失敗できる場として集合研修を用意しました。
このプログラムでは、集合研修で基礎スキルやBIGLOBEのノウハウを学び、複雑なシステムを理解するための土台を作ります。研修では、実際に手を動かすことを重視し、失敗を経験しながら同期と共に学びを深めます。そして、配属先でのOJTで業務を通じて実践的なスキルを身につけ、成長を促します。
なお研修の講師を務める先輩社員は、かつてこの研修を受講した新人です。23年度から「教わったら教える」というサイクルを確立し、このプログラムを継続可能にしました。講師自身から「教えることで、自分も学びを深められた」といったポジティブなフィードバックを得ています。
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また、並行して資格取得にもチャレンジし、さまざまな資格を取得しました。
取得した資格の一部をご紹介
Amazon Web Services, Inc.認定資格
AWS Certified Solutions Architect - Associate
AWS Certified Developer - Associate
AWS Certified SysOps Administrator - Associate
Scrum Inc.認定資格
Registered Scrum Master、Registered Product Owner
そして、育成プログラムの集大成は、チーム演習開発です。数名のチームに分かれ、1年間学んできた工程をアジャイルに繰り返しながらプロダクト開発に取り組みます。主に、社員のお困りごとを解決してくれるプロダクトを試作してくれました。
23年入社メンバーが試作したプロダクト
・エンジニア志望学生向けのインターンシップで利用するInfrastructure as Code(IaC)の学習アプリ
・社内にある大量の技術書の貸し借りを管理するシステム
・フリースペースで開催する会議の場所を簡単に共有するシステム
さて、それでは23年入社メンバーがどのように成長したのか、抜粋となりますがご紹介します!
成果発表~何を経験し、どのような学びを得たか~
川浦 哲詩 (かわうら さとし)
プロダクト技術本部 サービス開発2部 アジャイル開発1グループ
担当業務:サービス契約管理システムの開発・運用
川浦は、お客さまが申し込まれたサービスの契約状態を管理するシステムについて、新しいAPIの要件定義からリリースまでを担当。このAPIは社内の別の部署が呼び出すもので、実際に利用してもらったところ、必要な機能が欠けていることが判明。要件定義からやり直すという手戻りを乗り越えてのリリースとなりました。
この経験から、利用者サイドの視点を考慮し、開発に取り組む前に要件について十分にコミュニケーションをとることの重要性を学んだと語りました。
田口:利用者視点での開発を1年目から学んでいただけたのはとても良かったです。今後はより重要なシステムや、お客さまに直接関わるシステムに携わると思います。その視点を忘れずに今後も成長を続けてください。
上田 彩登(うえだ あやと)
プロダクト技術本部 共通技術部 テクノロジー開発グループ
業務:AWS移行・クラウドネイティブ化推進、AWS、オンプレ、OS、ミドルウェア、データベースなど共通基盤の安定運用維持
上田は、担当業務のなかから、社内システムのクラウドネイティブ化とAWS利用料削減を中心に発表。まず、社内システムのクラウドネイティブ化についてはサーバーを撤廃し、IaCを導入することで障害復旧を容易にしました。さらに、今後の運用・保守を考慮してContinuous Integration / Continuous Deployment(CI/CD)を導入。この結果、OSのアップデートが不要となり、障害復旧や運用・保守の工数を削減し、3割のコスト削減を可能としました。
次に、AWS利用料の削減施策については、勉強会やハンズオンの開催、削除対象を特定するプログラムの作成など、多角的なアプローチを実施。その結果、大幅な削減対象リソースの発見につながったという成果を報告しました。
南:利用料削減は全社的に大きく貢献してくれました。学びに関してですが、研修や資格など体系だったものを学ぶのはとても大事です。業務と並行して、社内のスキルアップ支援制度を利用しながら、今後もぜひ続けてください。また、他社の取り組みを見ることでもスキルを高められるので、社外にも目を向けてチャレンジしてください。
大田原 和輝(おおたはら かずき)
プロダクト技術本部 ネットワーク技術部 開発グループ
業務内容:Domain Name System(DNS) / ロードバランサー / IPv4 over IPv6、NAT64基盤の設計・構築・運用
マンションISPのシステム運用やDNSサーバの構築・運用を担当している大田原は、さまざまな経験を通して変化していった心境に焦点を当て発表。入社時は人に聞くのも教えるのも苦手だったという大田原ですが、上司や先輩社員から学ぶうちに、「知ること」がどんどん楽しくなっていったといいます。
さらに、自ら調査した結果を発表したJANOGなどの社外活動を通じて「他社社員に負けたくない」という気持ちが芽生え、何事にも臆さずチャレンジする精神が身に着いたと語りました。
南:1年目にも関わらずJANOG登壇に自ら手を挙げてチャレンジしてくれたり、テレビ出演を通じてビッグローブ光10ギガサービスの広報も行ったりと、多くの経験を積んでくれました。また、ネットワークに特化した新たなインターンシップも提案し、全社にコミットする重要なKPIとなっています。大田原さんのグループは、インフラ部門の中でもチャレンジングなことに取り組んでいるグループです。その中でも遅れをとらずに成果をだしてくれました。引き続き頑張ってください。
米沢 大智(よねざわ だいち)
プロダクト技術本部 サービス運用部 運用プラットフォームグループ
担当業務:監視システムの維持管理、改善
米沢は、監視システム更改にまつわるほぼ全ての工程(製品調査、基本方針策定、要件定義、ベンダー折衝、評価環境構築、納品物確認、社内調整)を、サポートを受けつつ担当。社内システムの現状把握や理想的なシステム像の定義ができるようになるまでは、ベンダーとの折衝に苦労するも、業務を通じて、認識のすり合わせの重要性や、社外コミュニケーションのスキル、異なる視点から物事を見る力を身につけたと語りました。
また、資格取得の過程では、AWSを実際に操作し、基礎力と設計に対する理解を深めました。
南:サービス運用部は全てのサービスを支える重要な役割を担っていますので、これからもしっかりやっていただけることを期待しています。理想的なシステムの定義は非常に大事です。目の前のやるべきことに捉われず、バックキャストで考えると成長につながりますので引き続き頑張ってください。
橋本 ゆう(はしもと ゆう)
プロダクト技術本部 サービス開発2部 アジャイル開発3グループ
業務:Salesforce関連の開発、コンタクトセンターの管理
橋本は、Salesforce関連の開発やコンタクトセンターの管理に従事。ビッグローブ光などのサービス案件、基盤対応、コンタクトセンターからの改善要望や機能開発など、上流から下流まで幅広い経験を積みました。
その中で、BIGLOBEモバイルの物流業者変更のプロジェクトマネージャーとして参画した案件を発表。当初軽い気持ちで引き受けたものの、予期せぬ問題が多発するという苦労を経験しました。しかし、その困難を乗り越えた経験を通じて、関係者とのコミュニケーションのとり方やトラブル時の対応、諦めない精神を学んだと語りました。
田口:橋本さんは説明力、説得力があり、新入社員とは思えない活躍をされています。物流業者変更プロジェクトはもうすぐ完了です。チーム一丸となって成功に導いてください。(現在リリース済/取材時5月)
関谷 彪(せきや ひょう)
プロダクト技術本部 サービス開発2部 アジャイル開発2グループ
業務:ビッグローブ光 販売管理システム 運用改善
関谷は、ビッグローブ光を10ギガに対応させる上で必要となる運用作業を大幅に改善した成果について発表。具体的には、ツールを開発することで、月当たりに作業できる件数を5倍以上に向上させました。また、APIを改修することで運用効率を改善し、27時間/月の運用工数を削減。さらに、バッチ処理を改修し、処理完了までにかかる時間を1/21に短縮しました。
配属前は業務やシステムに関する知識と自信が不足していたが、配属後は改善案件を通じてシステム設計や技術を深く学び、基本設計からリリースまでを経験し定量的な成果を上げることができたと語りました。
田口:関谷さんが開発したシステムは、ビッグローブ光10ギガサービスのリリースに大きく貢献した機能です。BIGLOBEのシステムは長年やってきたことによりブラックボックス化しているものもあります。そんななか頑張ってリリースできたことは大きな成果です。また、アジャイルの考え方は大事です。チームで仕事をしていくなかでスクラムマスターの資格を活かしながら、業務の中にアジャイルな動き方を広げていってください。
山口 樹(やまぐち いつき)
全社横断 サービス企画部 プロダクト1グループ
業務:サービス化プロセス標準化事務局運営、投資予算管理
山口は企画部門に所属し、システム開発に必要な投資予算を管理。一つのサービスは複数のシステムが連携して実現しています。そのため、投資判断はサービス単位で実施すべきところ、配属当時はシステム単位で予算管理がされていました。そこで、予算の管理単位をシステムからサービスへと変更し、各サービスに割り当てる予算の妥当性を判断しやすくしました。これにより、案件にかかる予算が変動しても効率的に調整できるようになり、次年度の予算精度も向上しました。
当初苦労した点を克服し、今ではタスク分解や役割の主体的な把握、基本的な会計知識の習得、効果的な資料作成ができるようになったと語りました。
高宮:予算管理はとても大変です。仕組みを変えようとすると、付随する多くのものを変えないといけないので、今まで変えられなかった部分です。そこを今回、山口さんが変えてくれました。この新たな仕組みでさらに事業を伸ばし、コストを抑えていけるよう、さらに一歩踏み込んで変えてくれることを期待しています。一緒に事業成長に取り組んでいきましょう。
幹部から総評
高宮:1年間お疲れさまでした。どの発表を聞いても、研修、資格取得、OJTなど周りの人からノウハウを得て、事業貢献につなげていただきました。内容はさまざまですが、どの活動も成果につなげられていることが頼もしく思えました。新人は卒業しますが、今後は若手社員として必要なスキル、ノウハウをもう一度見つめ直して、次の成長に向けたアクションを起こしてください。社会人生活はこのあと30年以上続きます。いまの成長を続けられると、業界でナンバーワンのエンジニアになれますので、ぜひ頑張ってください!
2023年度入社新人エンジニア成果発表会のレポートは以上です。
今年度(2024年)からはKDDIグループのソフトウエア開発研修も加わるため、さらなるスキルアップが期待されます。みなさんの活躍を楽しみにしています!
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