こんにちは。BIGLOBE Style編集部の吉田、森山です。
2019年7月24日、神戸で行われたJANOG44ハッカソンにて、BIGLOBEと株式会社ZTVの合同チーム「自動棚卸しチーム」が優勝!
そこで今回は、そのBIGLOBEのメンバーに優勝までの経緯や受賞のコツについてインタビューしました。
滝口 敏行:中途入社でBIGLOBEへ。ネットワークインフラ運用の自動化等を担当。
前野 洋史:入社3年目。バックボーンネットワークを担当。
及川 優星:入社2年目。MVNO-NW基盤の開発と運用を担当。
船山 歩 :入社1年目。ネットワークインフラ運用の自動化等を担当。
君塚 遼 :入社1年目。MVNO新サービス開発とMVNO運用の効率化を担当。
JANOGとはJApan Network Operators' Groupを意味し、インターネットに於ける技術的事項、および、それにまつわるオペレーションに関する事項を議論、検討、紹介することにより日本のインターネット技術者、および、利用者に貢献することを目的としたグループです。
(出展:JApan Network Operators' Group Jeneral Infomation)
JANOGハッカソンはJANOG Meeting期間中に実施されるメインイベントの1つ。
「運用改善/自動化」や「最新技術の評価」などをテーマとして、各社エンジニアがチームを結成し、ツールやシステムを半日~1日かけて構築。その成果を発表して競い合うコンテストです。
・開発力向上(運用改善/自動化を進めるきっかけ作り)
・BIGLOBEの技術力を社外にアピールしたい!
・社外問わずエンジニア仲間を作りたい!
―――まずは、優勝おめでとうございます!
滝口:ありがとうございます。実は、私と前野さんは前回のJANOG43にも参加していて、その時悔しい思いをしたので反省点を踏まえて今回挑みました。
前野:前回はグダグダで反省しまくりました。なので、「次は優勝する!」というモチベーションもあって、今回優勝できました。
―――今回、名だたる大手企業も参加する中、優勝できたポイントを教えてください。
前野:「ネットワーク機器の資産を自動で棚卸する」というテーマ設定がまず、大きなポイントになったと思います。
滝口:インフラを持つ企業ならどの企業でも苦労する問題、辛いところや共感できるところに焦点を当てました。シンプルで伝わりやすい、簡単に作れそうなども念頭にありましたね。
及川:そうですね、それに加えて新人社員の教育も兼ねていたところも評価されたと思います。参加チームの中で私たちのチームは最年少の平均年齢でしたし、若手を育てていこう!という業界の空気に合っていたのかなって。
Ansible の nmap inventory plugin を
本来の用途とは違う棚卸に応用できた点も評価されていたようでした!
―――参加チームの中では最年少のチームということですが、BIGLOBEのメンバーはどうやって集まったのですか?
船山:私は新入社員なんですが、配属直後に教育コーチの滝口さんに「出ないか?」と誘われて。「他に若手もでるんだったら行きたいな…」と思い、同期の君塚さんに声をかけてみたんです。
君塚:簡単なハッカソンは参加したことがあったので、面白そうだなと思い参加しました。
滝口:及川さんは君塚さんの教育コーチということもあって誘いました。快く「やりましょう!」と言ってくれたよね(笑)
及川:業務が多忙だったこともあって上司には渋られましたけど。でも優勝して帰ってきたら「よくやった!」と手のひら返されました(笑)
―――準備期間はどのくらいかかりましたか?
滝口:テーマを決めてからは1ヵ月。事前準備は辛かったですね。使うツールを統一して、まずはAnsible、PythonやJupyterをみんなに覚えてもらうところから始めました。習うより慣れろで実際手を動かしてもらって。結果、同じコードや問題を共有できました。
及川:ざっくり事前準備はみんなでやりつつ、当日環境で動く部分を担当する人・事前準備していた部分を組み立てる人と役割を分担していましたね。
―――実際、当日はどのように進行したのでしょうか。
滝口:当日の環境を調べて、把握して、作りたいものを考えるところからはじめました。開発だけじゃなく発表資料の作成もあったので、本当はやりたいと思っていたものを全部やりたいところでしたが、「ここは捨てよう」といった感じでコントロールしながら進めました。当日の分担も前野さんに途中でスイッチしてもらうなどして全体を見ながら行っていましたね。
船山:万が一のために事前に作ったデータを持ち込んでいました。動かなかった時に本当はこうなりますと伝えるために。
及川:当日の環境次第でどうなるかと思っていたけど、開発環境もそろい実際に動きましたね。
滝口:やはり「カタチ」を見せたいので、及川さんに頑張ってもらいました。
―――新入社員の君塚さん、船山さん、苦労した点を教えてください。
君塚:まず、自動棚卸って何をするの?と理解するところから苦労しました。Pythonは勉強していたので分かると思っていたんですが、実際やってみたら分からないことが多くて。 教えてもらいながらやりました。
船山:同じく、事前に使うツールを勉強するのが大変でした。
―――ハッカソンに参加したことで、得られたものをそれぞれ教えてください。
及川:普段の業務では、開発要件を決めて、、、などの流れがありますが、ハッカソンでは何にどれだけ時間をかけられるかがタイトに決まってきます。どこまでの品質で何を優先するかなど、プロジェクトと変わらないものをギュッと短期間で体験できたのがよかったです。それに、ハッカソンはいわゆる上流から下流まで関われるので、管理者の立場になった時も良い経験になるんだろうなと思いました。
船山:良かったのはモチベーションの部分。当日何もできなかったからこそ、「もっと勉強しなきゃ!」と強く思いました。実際、資格を取得したり、LPICの勉強をしています。それに、コーチの滝口さんとも距離が近くなりました。前までは分からないことを遠慮しながら聞いていましたが、「分かんない!」って素直に言ったほうが滝口さんにとってもいいのかなと(笑)
及川:こういう経験をすると、業務で何か行き詰った時に相談しやすくなる関係もできるよね。
滝口:極限状態でもやっていけるという力もつくかも(笑)
君塚:当初は自動化していくというイメージがなかったんですが、こういうツールはこう利用して繋がっていくんだということが分かりました。今の業務に活かされています。
前野:前回のこともあったので、今回は「優勝する!」と目標を決めて普段の時間の中で時間を作れたのが良かったです。時間を作ることには苦労もしましたが。あとは他社との交流によって、技術獲得の意欲があがりました。
滝口:みんなでテーマを決めて、システムアーキテクチャは自分で考えたのですが、その考えたものが社外の環境で認められた、評価を得られたという点で自信を持てました。新人や当日JOINした社外の方ともコミュニケーションをとりながら一緒にできたのも良かったです。
ハッカソンからモチベーションが上がり、
「AWSソリューションアーキテクト-アソシエイト」の資格を取得したという船山さん
―――エンジニアにとってBIGLOBEのいいところって?
滝口:下流、運用工程もやっている多様性があるのがいいところかな。
及川:伸ばしたい分野に関して障害がないところ。ハッカソンもBIGLOBEの名前を出して参加できるし、上司にもなんでも言える風通しの良さがあります。まぁ、自分はもともとなんでも言えちゃう方だけど(笑)技術力のある人が多いので、まだそこまでの力がない人が声をあげても汲んでくれるし若手の意見に対して「そういう視点もあるんだ」とキャリアが違っても溝を埋めてくれるところもありますね。
―――若手が多くお世辞にも最強のメンバーとは言えないと思いますが、それでも優勝できた秘訣を3つ挙げてください。
全員:準備、開発環境をそろえたこと。目標とするゴール、完成イメージを共有できていたこと。それらに対するモチベーションと、みんなで言い合えるコミュニケーション。これらは若手が集まったからこそなのかも。
滝口:新入社員とここまでコミットできたのはスゴイ!とかなり反響があったんですよ。
―――そうですね、新入社員が大活躍されましたね!
さて、2020年1月22日からJANOG45が開催されますが、参加されるのでしょうか。
滝口:はい、JANOG45ハッカソンでは及川さん、君塚さん、前野さんが参加します。私は後方支援というかたちで応援したいと思ってます。
及川:JANOG44ではバックエンドに携わっている面々でしたが、次回は自部門に限らず部をまたいでフロントエンドを含め6-7名で参加します。そうする事で前回より面白いことができるんじゃないかと。今まで2連覇したチームはないので、頑張りたいですね!