はじめまして! 基盤本部 クラウド技術部 エキスパート の 穂積 裕樹です。
BIGLOBEでは、CoE(Center of Excellence)1を組織し、2019年度からクラウド利活用を全社的に推進しています。
私はそのCoEで、今年度からトレーニングを担当しています。
with コロナ時代で働き方がオフィス中心からリモートワーク中心になったように、トレーニングも、対面を前提としないやり方に修正する必要がありました。
BIGLOBEでは、参加者全員がリモート環境で社内ハンズオンを開催しましたので、そのノウハウをご紹介します。
社内ハンズオンの概要
BIGLOBEで開催している社内ハンズオンの概要は下記表にまとめました。
開催頻度 | 月に1回 |
時間 | 2時間~2時間半 |
内容 | 毎回いくつかのサービス(EC2やECS,VPCなど)をPickUpしてハンズオン実施 |
参加人数 | 20~30人 |
参加者の技術レベル | これからクラウドに触り始める初心者がメイン |
費用負担 | CoEが予算確保 |
また、BIGLOBEでは数あるクラウドサービスの中でも、Amazon Web Services(AWS)を選択しています。
ハンズオンに必要なAWSアカウントの払い出しや最低限のセキュリティ設定は、CoEが実施しているので、初心者でも気軽に安心して参加することができます。
ハンズオンをリモート環境で実施する上での課題
リモート環境で社内ハンズオンを開催するにあたって、以下の課題がありました。
1. 参加者の学習ペースが把握できない
これまでは目の前に参加者がいたため、学習ペースや様子が一目で把握出来ました。そのため、作業が完了していない参加者が多ければ、作業時間を延長するなどの対応ができました。また、手が止まっている参加者がいればすぐにフォローすることも可能でした。
しかし、リモート環境になると、参加者の学習ペースや様子を把握することが困難になり、参加者に合わせたペース調整やフォローが不足し、結果として内容についていけなくなる参加者を生み出します。
2. 質問しにくい
質問したくても、他の参加者に聞かれることを恥ずかしく感じたり、自分が質問したせいで他の参加者の時間を奪ってしまうのではないかと思い、質問できない参加者が多いです。これまでであれば、参加者同士で解決したり、作業中にこそっと講師に質問することが可能でしたが、リモート環境ではそれが難しくなりました。
これもまた、結果として内容についていけなくなる参加者を生み出します。
クラウドのサービスは数多くあり、次々に新たなサービスが生まれるため、一度トレーニングを受ければ十分というものではありません。
クラウドを利活用するためには、継続的なトレーニングが必須です。
社内ハンズオンはクラウド初心者が多く参加し、はじめの一歩に近いトレーニングです。
そのトレーニングで躓くことは、今後のトレーニング意欲にも大きく影響すると考えます。
そこで、是が非でも、多少の労力を投じても、これらの課題を解消するため、いくつかの工夫をしました。
工夫① 参加者が自分のペースでハンズオンできるようにした
通常、講師がいて、その説明を聞きながら参加者がハンズオンを進めます。
しかし、BIGLOBEではハンズオン資料とその解説動画(ハンズオンの実演含む)を準備し、参加者はそれを参照しながら、各自のぺースでハンズオンを実施するようにしました。
つまり学習ぺースのコントロールを講師側がするのでなく、参加者自身に委ねました。 これにより、参加者は分からない箇所を理解できるまで繰り返し動画を視聴するなど、内容理解をより深めてから進めることが可能になりました。
さらに、資料と解説動画があれば、当日に参加出来なくても、各々の空いている時間でハンズオン可能になったのは、良い副次的効果です。 有識者のフォローが不要な人はそれで十分だと思います。
とはいえ、遅れている参加者のフォローは必要です。 そのため、参加者自身にスプレッドシートで進捗状況を共有してもらうことで把握し、そこで遅れがあれば、個別フォローを実施します。
ただし、この工夫の難点としては解説動画の準備が大変であるということです。 資料の説明だけではなく、ハンズオンの実演も撮るのは非常に時間が掛かります。
この点に関して、BIGLOBEで良く使われるAWSでは、AWS公式のハンズオン資料と解説動画ありますので、それを活用しています。
様々なAWSサービスのハンズオン資料が公開されているので、是非一度試してみることをおすすめします。
ハンズオン資料の公開URLは下記になります。
https://aws.amazon.com/jp/aws-jp-introduction/aws-jp-webinar-hands-on/
工夫② 質問しやすい環境をつくる
質問専用チャットを作成して、他の参加者がいないクローズドな環境で質問できるようにしました。 有識者がハンズオン中ずっとそのチャットに待機して、質問がある参加者はそのチャットに移動して質問し、タイムリーに回答を得ることが出来る環境を整えました。
また、クローズドな環境であることは、参加者だけでなく、有識者側にもメリットがあります。 多くの参加者の前で回答するというのは、有識者側にもプレッシャーを与えています。 クローズドな環境がこのプレッシャーを軽減することで、有識者として参加することへのハードルが下がり、協力してくれる人が増えました。
これにより、当初社内ハンズオンに参加する側だった人が、何度も参加することで経験を積み、有識者として教える側にまわるというサイクルが生まれやすくなっています。
最後に
以上が、社内ハンズオンで実施している工夫の紹介でした。
繰り返しになりますが、クラウドは次々に新たなサービスが生まれ、その進歩についていくためには、継続的なトレーニングが必須です。 そのトレーニングを、各自の努力にだけ任せていると、全社的な技術力向上にはなかなか結びつきません。 ひいては、クラウド利活用推進が進みづらくなります。
そのため、自社内で組織的にトレーニングを提供することが非常に重要と考えています。
今後も、社内ハンズオンだけでなく、システムのトラブルシュートコンテストをするゲームデイや、一日でサービスを作るハッカソンなどの新たなトレーニングメニューを提供し、技術力向上とクラウド利活用推進に貢献していきます。
最後にお知らせをさせてください。
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