BIGLOBEの「はたらく人」と「トガッた技術」

世界初NAT64/DNS64の実現、DNSサーバーはどう切り替えているのか?

あいさつ

平澤です。スプラトゥーン大好きエンジニアです。スプラトゥーン3のプレイ時間は500時間です🦑

今回は、『世界初への挑戦!インターネットを快適にするNAT64/DNS64とは?』をやったときに開発した技術をご紹介します。

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NAT64/DNS64とは

BIGLOBEは快適なIPv6でのインターネット接続をおすすめしています。既存技術では、MAP-E機能付きのブロードバンドルーターがユーザーの負担となっていました。

ユーザーの負担が無いIPv6接続「NAT64/DNS64」で多くのユーザーが快適になりました😊

DNS64をどうやって使ってもらうか

NAT64/DNS64のユーザーはその名の通り「DNS64」用のDNSサーバーを使います。

ユーザーに「DNS64」用のDNSサーバーを使ってもらうには課題がありました。

実現したいこと
  • ユーザーはDNSの設定をしない

  • ユーザーに払い出すDNSのIPアドレスは同じ

  • NAT64/DNS64のユーザーだけ「DNS64」用のDNSサーバーを使う

難しいです、私はギブアップしました😅

DNSが得意なN澤さんと雑談していると「ロードバランサーがあるからユーザーのIPアドレスでDNSを分けられるよ」という現実的かつ画期的なアイデアが出てきました。

これは面白いと思い、N澤さんと一緒に特許として出願し、無事に登録されました。

特許の概要

『ロードバランサーがユーザーの送信元IPアドレスでDNSサーバーを振り分ける機能』です。

NAT64/DNS64の他でもいろいろと応用できそうな機能です。

送信元IPアドレスを見てDNSサーバーを振り分け

ユーザーが「NAT64/DNS64」を契約すると、契約情報がロードバランサーに連携されて自動で「DNS64」用のDNSサーバーに切り替わります。ユーザーの設定変更や、専用のブロードバンドルーターなどはいりません。

実現できた

NAT64/DNS64を契約したユーザーは、設定不要でNAT64/DNS64が使えます。

もしもユーザーのDNSサーバーを自由に振り分けできたら

さまざまなDNSサーバーを用意して、自由に割り振りできたら、どんなことができるでしょうか?

DNSSECなどのセキュリティ機能が付いたDNSサーバーや、何か便利な機能が付いたDNSサーバーなどを用意して、ユーザーはWebで申し込みするだけで、いろいろな機能を持ったDNSをサーバーへ切り替えられます。

NAT64/DNS64以外でもいろいろなことができそうですね。

BIGLOBEの特許出願事情

BIGLOBEには、新事業創出や特許出願に誰もが挑戦できる環境があります。たとえばこの「Stage0アイデアマーケット」もそのひとつです。

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頭の中にあるアイデアや考察をアウトプットし、特許として継承していくことは名誉なことですし、会社としても知的財産が蓄積されていくのは喜ばしいことですよね。

おわりに

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回の特許は特許情報プラットフォームで見られますので、興味のある方は見てください。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/?uri=/c1800/PU/JP-2020-096273/4A18DD20FBB06EEE29EFD31FABA099BF76DAB4C5B702C1C67A1A832D99919A0F/11/ja

 

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