BIGLOBEの「はたらく人」と「トガッた技術」

ワーケーション中の若手社員が、別府大学の公開授業に登壇〜Z世代の学生に語った新しい働き方

こんにちは。BIGLOBE Style編集部です。

日本有数の温泉地として、国内だけでなく海外からも多数の観光客が訪れる大分・別府。コロナ禍によって多大な影響を受けた地域の一つです。

2021年の今、別府でもコロナ後を見据えたさまざまな取り組みや議論が行われています。

別府大学では、今年の公開授業のテーマを「アフターコロナ」に設定。その公開授業の一つにBIGLOBEの若手社員が登壇しましたので、その様子をお伝えします。

 

柴田雅大

登壇者は柴田 雅大(シバタ マサヒロ)。2020年にBIGLOBEに新卒入社した2年目の若手社員です。

柴田 雅大(シバタ マサヒロ)
新規事業本部

1996年神奈川県生まれ。明治大学卒。フィリピンでインターンを経験後、2020年4月にビッグローブ株式会社へ新卒入社。入社後間もなく、新規サービスを立ち上げ、リリースする。現在は、法人向けサービスのB2BマーケティングやONSEN WORKの推進に従事し、宿泊施設向けWi-Fiアプリの企画も担う。
東京に拠点を置きつつ、別府でワーケーションを実践中。趣味はサウナ。

 

別府大学は昨年で創設70周年。開設当初から地域とのつながりを重視し、開かれた大学として積極的な情報発信活動を行っています。

昭和21年に「別府女子専門学校」として開設。
昭和25年に新制大学制度の発足とともに、文学部のみ(国文科と英文科)の単科大学として「別府女子大学」が誕生。
昭和29年「別府大学」として共学となり、平成14年に食物栄養学部、平成21年に国際経営学部を創設。

開設当初から地域に拓かれた大学づくりを行い、女子専門学校の時から市民向けの公開講座を開催するなど、その歴史の中で地域とのつながりを重視。特に近年は、世界屈指の温泉都市別府市に位置する大学として、地域の宝である温泉を研究してその知見を地域に還元する「別府“温泉”大学」としての活動に力を入れている。

 

日本有数の温泉地・別府でワーケーションを実践中。別府大学の講義に登壇した経緯とは?

 

柴田は現在、東京のBIGLOBEに籍を置きつつ、別府のシェアハウス「湯治ぐらし」でワーケーション中です。

BIGLOBEは自社サービスの中でもBIGLOBE旅行サイトや、お湯たびなど、旅行コンテンツに注力。さらに、コロナ禍においてワーケーションに注目が集まる中、温泉宿と企業をマッチングする「ONSEN WORK」を立ち上げ、温泉地でワーケーションする効果やメリットについての啓発活動を行っています。

温泉地でいかに働く人が体調を整え、リラックスしつつも仕事に貢献できるか、提唱だけでなく自ら実践して効果を実証したい。そんな会社の思いに手を挙げて、自ら別府温泉でワーケーションを体験することになったのが柴田でした。(詳しい経緯についてはこちら

 

柴田が今滞在するのは、温泉完備でいつでも入浴可能、別府の湯治文化を継承・実践するシェアハウス「湯治ぐらし」。学生や社会人などさまざまなバックボーンの入居者が暮らしています。同じく「湯治ぐらし」で暮らす別府大学生が大学関係者に紹介する形で、別府大学との縁が生まれました。

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別府大学の公開授業「九州学」は2015年にスタートし、今年で7回目を数えます。大分県域を超え「九州」から世界や他地域に情報発信する趣旨のもと、毎年さまざまなテーマ、さまざまなスピーカーを招聘して開催され、新しい視点を提唱し続けています。

九州学概要 https://www.beppu-u.ac.jp/research/extension/kyushu/

今年度のテーマは「アフターコロナ 新たなる発見、新たなる旅立ち ~誰一人取り残さない未来を~」。コロナ禍を経て、変革したこと、再確認されたもの、見えてきた兆しを、各スピーカーの視点から語られる興味深いカリキュラムとなっています。その中で最年少の登壇者として白羽の矢が立ったのが柴田でした。

別府大学との縁で学長や広報担当者とディスカッションの機会を得る中で、コロナ禍で注目される「ワーケーション」を実践しつつ、若手ながら新規事業に積極的に取り組む先進性に、別府大学は「九州学」の今年度テーマとの親和性を感じ登壇をオファー。「都心の企業や人との接点が少ない別府大学生に刺激を」と、学生と同世代だからこそ与えられるインパクトに期待しての起用となりました。

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※撮影、登壇時のみマスクを外しています。

 

「Z世代の君たちへ」。将来を模索する学生たちにBIGLOBE社員が語りかける、新しい働き方、新しいビジネス

 

講義の内容はどのようなものだったでしょうか?

 

―「NEW WORKSTYLE」

まず語られたのは、コロナ禍で変わった働き方の実体験です。柴田自身、入社後すぐに緊急事態宣言が発出され、オフィスワークを経ずに自宅でのリモート業務を余儀なくされる経験をしてきました。場所や時間にとらわれない働き方が実現できたのは進化したデジタルツールの存在です。チャットやテレビ会議などでコミュニケーションをとりながら、リモートアクセスで社内システムにアクセスし、業務を遂行する。数年前までは考えられなかった仕事のやり方は、今やワークスタイルのスタンダードになっている、そんな実情が語られました。

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講義は対面とオンラインで実施。

 

今注目のワークスタイルとして紹介されたのが「ワーケーション」です。

「WORK+VACATION」の造語で、観光庁でも普及が促進されている新しい仕事と余暇のスタイルで、いくつかの分類が存在します。

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(観光庁サイトhttps://www.mlit.go.jp/kankocho/workation-bleisure/ より抜粋)

 

BIGLOBEが今「ONSEN WORK」で取り組んでいるのは、このワーケーションを「温泉地」で行うことで得られる「特別な価値」を実証・普及し、会社(社員)だけでなく、コロナ禍で痛手を受けた観光業や地域全体の課題を解決することです。柴田は自ら温泉地でワーケーションを体感することで、この「価値」をデータとして取得し、生活・余暇と仕事を融合させることで生まれる変化や効果について実体験しています。仕事の合間に温泉に入ったり、散歩してリフレッシュしたり、そういう「遊ぶように働く」スタイルから生み出されるアイデアやアウトプットについても自身で手応えを感じていて、「温泉の価値は無限大」と語られました。

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―「NEW BUSINESS」

続いて示されたのが、働き方が変わることによって変革したビジネスのあり方についてです。

BIGLOBEはインターネット等のネットワークを利用した情報サービス提供を主力のビジネスとする会社ですが、その既存事業を深化することは大前提としつつ、それだけでは生き残るのが困難であるという厳しい現実が語られました。

「企業は新しいサービスや事業を創出し続けることが求められる」。「ONSEN WORK」への取り組みはまさに、通信事業社という枠を超えて企業としての認知を上げる活動の一環でもあります。

柴田が温泉地でワーケーションをしつつ取り組むのが新規事業開発の業務ですが、新サービスを立ち上げるスピードもやり方も格段に変化してきているといいます。開発ツールが進化し、必要な情報やデータが容易に取得できる今、求められるのは「顧客視点に立って、小さく素早くスムーズに開発する」プロセスで、それを実現するのがデザイン思考、リーン開発、アジャイル開発などの手法です。

 

これらのプロセスを経て柴田が取り組んだのが、宿泊施設のWi-Fi環境を計測するアプリの企画です。ワーケーションに必要な宿のWi-Fiが利用に耐えるものなのか、宿の部屋ごとに計測できる便利なアプリを、別府にいながら企画、リーン開発し、検証とブラッシュアップのサイクルを回しています。「経験がなくても大きな資金がなくても、サービスは作れる」。新しいビジネスの作り方が力強く語られました。

 

―「NEW GENERATION」

こういった新しい働き方、新しいビジネスを担う主体となっているのが、「Z世代」と呼ばれる新しい価値観を持つ世代です。Z世代とは1990年後半頃から2012年頃までに生まれた層で、一番の特徴は生まれた時からインターネットに接してきたデジタル・ネイティブであること。加えて多様性や環境問題への関心が高く、社会のイノベーションを牽引する世代とも捉えられます。

 

今や世界の人口の32%を占め、社会・消費・労働の中心となっているZ世代にとって、新しい価値観で働くことが可能な時代が来ていること、「不満・不安・不便」といった「不」を解消できる社会とするために、新しいサービス企画や仕組みづくりに是非チャレンジしてほしいということが、Z世代の柴田から、同じくZ世代の学生たちに熱く語られました。

 

新ビジネスの具現化とは社会の「不安・不満・不便=不」を解消するアイデアを「言語化」すること

 

今回特に、同じZ世代として学生に強いメッセージとなったのが、社会の「不」を解消するという新ビジネス具現化の方法です。

先に語られたように、新しいサービスは今やスピーディーかつ容易に生み出せる環境が整ってきています。しかしその元になるアイデアは、現在何かに満たされない状況を強いられている「不安・不満・不便」の状態を改善したいという人の思いから始まります。

 Z世代が大事にする働き方や価値観を「当たり前」にできるかもしれない、そういう観点で、Z世代の人にこそ新しいサービスを考えてほしいという視点から、柴田が提唱するのは「言語化」です。漠然とした「不」を具体的な言葉に変えることができれば、それを仲間とも共有できるし、色々な考えを入れてブラッシュアップも可能となることでしょう。

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現在開発中の「Wi-FI環境を測定するアプリ」も、実際に柴田が温泉宿の方と話す中、不完全なWi-Fi環境を抱える宿側の不安を解消しようというアイデアから生まれました。宿側にアプリを施行導入してもらって、その結果をZoomで共有するなど、開発工程でも意見交換を重ねてブラッシュアップしています。サービスでなくても、社会の仕組みでもいいので、「不」を解消するという視点を持ってほしいということが学生たちに伝えられました。

 

参加した学生の反応は?大切にしたい価値観や働き方とは?

 

講義後に収集したアンケートでは、「ワーケーション」という働き方を知ったのが初めて、あるいは聞いたことがあるが詳細に知ったのは初めてという回答が多く、新しいワークスタイルを知るきっかけを提供できたことが伺えました。「自分は仕事と休暇は分けたい」「対面のコミュニケーションも大事」といった意見もある中、予想以上に「場所にとらわれない働き方は良いと思う」「やってみたい」という声もあり、働き方への多様な価値観が現に生まれている様子も見受けられました。

「心と身体のバランスが取れる働き方がしたい」「働くために生きるのではなく、生きるために働きたい」「長時間労働や過労死など社会のストレスから解放されたい」など、現在の労働環境に対する危惧を持つ学生も多く、働くことによるストレスや心的負担を心配する様子も伺えましたが、柴田の温泉ワーケーションのストレス軽減効果については「驚いた」「実践したい」という声があがりました。

コロナという負の状況の中「コロナの時代だからこそ、これまでに見えていなかった課題をみつけて解決する、その力を手に入れたい」、「自分で目標をみつけ頑張れば、大変だけど充実して、新しい発見ができる日々になる」という感想も寄せられ、今回の講義からポジティブな視点を受け取った学生も少なからずいたようです。

「若い自分たちが、自分たちで考えて新しい働き方を生み出すという考えを新鮮に感じる」など、自分たちこそが社会の新しい主体として、社会や働き方を変えていく、変えていきたいという思いを感じる感想も寄せられました。

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BIGLOBEと別府温泉がワーケーションを通じて生みだした価値

 

コロナ禍で観光業は大きな打撃を受け、別府温泉は海外観光客からも人気が高い温泉地のため、いっそう厳しい状況に置かれています。アンケートからも学生が将来を考える上でも、不確実性や不安を抱えていることが色濃く伺えました。

しかし講演を通じて、柴田は「地域活性化や温泉地の観光振興のためにできることはまだまだある」とも発信しました。実際今回の温泉ワーケーションの活動の一環として、BIGLOBEではオウンドメディアで別府温泉の事業者を紹介したり、別府の企業とのイノベーション活動につなげたりしています。宿のWi-Fi環境を整備する活動も、コロナ禍こそが契機となったもので、将来の価値創造につながる活動といえます。

今回、柴田の講演では、新しい働き方、新しいビジネスのあり方が語られましたが、それはBIGLOBEという東京の企業の、特別な人の特別な働き方ではなく、それが当たり前となる社会の実現がそこまできていることは間違いありません。

新しい価値観をサービスに具現化するには新しい世代のパワーと知力が必要です。最後に柴田は「学生のみなさんが考える不を一緒に解決したい」と学生に訴えました。今回の講義がきっかけで、別府大学の学生とBIGLOBEの一層のつながりが生まれ、一緒になって社会を変えられるサービスを作る活動につなげられたらと思います。

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以上、別府大学公開授業の様子をお届けいたしました。


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