2021年3月17日、ビッグローブ株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:有泉健 以下、BIGLOBE) は温泉地と企業をマッチングするサイト『ONSEN WORK( https://workation.biglobe.ne.jp/onsen/ )』をグランドオープンしました。
「ONSEN WORK」は、ワーケーション導入を希望する企業と温泉宿のマッチングサービスです。先日のグランドオープンに続いて、3月23日、「TRY ONSEN WORKATION プログラム」の第二弾として別府温泉郷でのプログラム開始が発表されました。
オンライン会見の会場は、昭和5年に建造された木造一軒家の旅館「山田別荘(大分県別府市北浜3−2−18)」。
後編は、別府市長 長野恭紘氏や「温泉オタク会社員」永井千晴氏をゲストに迎えたトークセッションの模様をお伝えします。それぞれの視点から語られた別府の魅力が盛りだくさんです。
▼トークセッション①「ワーケーションで実現したいこと」
〈ゲスト〉
・ビッグローブ株式会社 代表取締役社長 有泉健
・別府市長 長野恭紘氏
〈MC〉三原勇希(ラジオDJ、タレント)
三原:後半は、ゲストにBIGLOBE 有泉社長と別府市 長野市長をお迎えし、トークセッションを開催します。別府は誰もが知る有名な温泉地ですが、やはりここ1年間ほどは、なかなか厳しいものがあったのではないでしょうか。観光や街の状況も含めていかがでしょうか?
有泉:別府でワーケーションを過ごしています。別府に到着してからすぐに山田別荘さんの露天風呂に入り、そのあと竹瓦温泉の砂湯にも行きました。温泉に入ると、疲れがスーッと取れました。非日常を味わうことで、翌朝、目が覚めた後も脳が活性化していて、色々なアイディアが次から次へと出てくる感覚を体験しました。初めての大分県滞在なのですが、とても刺激をもらっています。食事も美味しい、お酒も美味しい、最高です。
三原:長野市長、観光業という視点ではどうでしょうか。
長野:はい、別府は9割が観光業で成り立っている街と言われています。つまり、この1年は9割が打撃を受けた街です。今年中にはコロナの感染もひと段落するだろうと、明るい希望を未来に描きながら歯を食いしばって頑張っています。
三原:ワーケーションがその光になるといいですね。別府市で行うワーケーションの良いところはなんでしょうか。
長野:多種多様な泉質の温泉がそこかしこにあり、入湯料が100〜200円ととても安い。宿泊施設もさまざまですから、色々な選択肢があるのが利点です。それから、お食事処のコストパフォーマンスが最高に良いです。何を食べても美味しい。自分で言うのもなんですけど、これが別府市のすばらしさです。
三原:ワーケーションで別府を訪れる企業が求めるものはどういったものでしょうか。
有泉:ワーケーションに投資対効果を認められるかどうか、だと思います。医学面・心理面での改善はもちろん、企業が一番求めているのは社員のモチベーションやエンゲージメントが向上することでしょう。ワーケーションによって企業が成長するであろうことを提示できればワーケーションは福利厚生として企業に導入され、市場は右肩上がりに成長していくと思っています。
三原:効果がどれほど出るのかは、企業も気にされているところだと思います。
有泉:まだワーケーションは浸透していないので、どの企業も静観している状態だと思います。もう少し検証数が溜まってくると、動き始める企業も出てくるでしょう。BIGLOBEはこうした観点から体験の機会をご用意しています。体験することでしか得られない感覚もありますから。経験と検証を重ねてることで、ワーケーションの効果効能を詳らかにして、ワーケーションの市場を盛り上げるストーリーを描いています。
三原:「まずは体験してみなければわからない!」と言うことですね。長野市長、別府市がワーケーションに期待することを教えてください。
長野:平日の市場創出に期待しています。別府市をはじめとする観光地は、繁忙期とそうでない時、休日と平日などの利用客数の「平準化」が課題になっていました。そういった点ではワーケーションをきっかけに新たな市場が創出され、中長期的な成長が期待できると思っています。また、「コロナで悪いことばかりでない。小さな地方には大きな可能性が眠っているんだ」ということを別府から発信できるだけでも、我々にとっては大きなメリットです。ワーケーションはこれまでの企業誘致とは性質が全く異なります。行政として企業の求めるものに柔軟に対応できように頑張りたいです。
三原:大分県は、宇宙港(※)としても注目を集めています。「TRY ONSEN WORKATIONプログラム」でも宇宙ビジネスに関連したプログラムが用意されていました。別府市としても宇宙ビジネスは注目していますか。
※宇宙船の離着陸場の総称。スペースポートとも呼ぶ
長野:大分県はアジア初の宇宙港になるかもしれません。滑走路の長さなどの条件はあるのですが、別府や湯布院など、大分県がもつ資源が候補を決定する上でのポイントになったのではないかと思っています。宇宙港の候補地になったことで、宇宙関連産業に関わる方の往来が盛んになると予想しています。それもまた魅力のひとつです。
三原:それで別府を訪れた方と、地元の方との交流が生まれたりするわけですね。BIGLOBEが展開する別府でのワーケーションですが、今後の展望はありますか。
有泉:多くの企業の方にワーケーションを経験してほしいですね。別府温泉郷にワーケーションスペースを設置することで、別府を訪れた企業と、地元企業・地元の学生など、これから市場を創っていく世代の方々のふれあいの場になると嬉しいです。今後は、そういったリレーションから生まれるワーケーションの「学び」や効能も示していきたい。ポジティブループがより大きく回っていく可能性を感じています。
三原:旅行先での地元の方との交流は心を豊かにしてくれます。その感覚がビジネスにつながるということですね。ここまで、「ワーケーションで実現したいこと」をテーマにお届けしてきました。長野市長、有泉社長、ありがとうございました。
▼トークセッション②「ワーケーション体験談」
〈ゲスト〉
・損害保険ジャパン株式会社 リテール商品業務部 障害医療長期保険グループ 久野俊彦氏
・「温泉オタク会社員」永井千晴氏
・三原勇希(ラジオDJ、タレント)
三原:続いてのトークセッションのゲストは、損害保険ジャパン株式会社 久野俊彦さんと「温泉オタク会社員」の永井千晴さんです。トークテーマは「別府で温泉ワーケーションをやってみた」です。私もトークに参加させていただきます。実は私も昨日から別府でワーケーションをしています。永井さん・久野さんもワーケーション中だと思いますが、いまどれほど滞在されていますか。
永井:私は今日で3日目です。オンライン会議が主流になってからは、場所を選ばずに仕事ができています。ワーケーションは「ワークである」と認識していることがとても重要だと思っています。ベースを「バケーション」にしてしまうとワークが邪魔しているという感覚になってしまいますが、ワークを主軸に置いておけば、「打ち合わせの合間にちょっとだけ温泉に入ろう」と切り替えにもなって、贅沢で楽しいワークになる印象です。
久野:私は2日目です。実は、以前にも別府温泉でワーケーションをしまして、その時は4泊5日でした。途中からは家族も合流して、観光も楽しみました。温泉地でのワーケーションは温泉にしっかりと入ることが大切と教わり、意識して温泉に入るようにしています。温泉に入ることで気持ちもリフレッシュして仕事もはかどっています。
三原:永井さんは「温泉オタク会社員」ということで、日本全国の温泉地に詳しいと思います。永井さんからみた別府の魅力はどういうところでしょうか。
永井:別府温泉郷は日本一の温泉郷だと思っています。「海あり、山あり、街あり」が魅力ですね。海・山までは他の温泉地でも当てはまるところはありますが、街がある、というのは別府ならではだと思います。夜遅くまで開いている食事処もたくさんありますし、夜遊びまで楽しめる街がとても魅力的です。
三原:別府駅周辺もとても栄えていますよね。温泉地も近所に点在しているので、すぐにアクセスできるのが良いと思います。
永井:交通網が発達しているので、車を運転しない人でも路線バスなどを利用して色々なところに行けますよね。「街があること」は旅行しやすい・ワーケーションしやすい土地の条件だと思います。
三原:実際にワーケーションしてみて、別府が良い理由はどういうところでしょうか?
久野:何よりも、ご飯が美味しいところですね。前回のワーケーションの時、後から合流した家族に「今までこんなにも美味しいものを食べていたの?!」と嫉妬されました(笑)。あとは温泉に入ると、疲れが吹き飛ぶような感覚がありました。温泉に入ってゆっくり眠りにつくと、目覚めがスッキリしています。
三原:私は今回が初めてのワーケーションなのですが、環境が非日常的で、仕事以外に邪魔するものが何もなくて集中できました。眺めが良いお宿に滞在しているのですが、とても気持ちよく仕事ができています。
永井:ワーケーションで連泊するとネックになるのが、チェックアウトとチェックインの間の時間ですよね。5時間ほど空いてしまうこともありますが、今回は初めて鉄輪にあるコワーキングスペースを利用しました。駆け込める作業場所がどこにでもあるのはとても安心できます。
久野:ワーケーションをする時に、宿だけにいるのはもったいないと思って、私は海辺や公園で仕事をしました。湯気がでている温泉街を見ながら仕事をするだけでも、非日常です。それでもやはり通信環境は気になるところなので、街中でどんどん整備が進むと安心できますよね。
三原:永井さんは温泉に入るタイミングはどのように決めていますか。
永井:私は、打ち合わせと次の打ち合わせの間に温泉に入るのがいちばん幸福度が高いです。朝風呂・夜風呂以外にどこかで入るタイミングをもうけようと思っています。
三原:確かに、いつでも温泉に入れる環境ならではの楽しみ方かもしれないですね。温泉とワーケーションの相性は良いですよね。ワーケーションでの1日のスケジュールを教えてください。
久野:朝起きてから温泉に入ります。私も永井さんと同じで、昼間にもお風呂に入るのが好きです。午後からまた頑張るぞという切り替えにもなります。夜には美味しいご飯と温泉が待っていると思うと、1日頑張って仕事に取り組めます。
三原:「あれ? いつ仕事しているんだろう?」という印象も受けますが(笑)、もちろん日中はちゃんとお仕事をされていらっしゃいます。
久野:はい、それはもちろんです(笑) 。ワーケーションでは、1日の中に自分がお客様としてサービスを受ける瞬間があります。そこで受けた感動や刺激が仕事に良い影響を及ぼしていて、仕事の質が上がったと思っています。
三原:オフィスや自宅で仕事するよりも捗っていると思えるポイントはありますか?
永井:朝早起きになるのが一番良いポイントです。温泉宿の朝ごはん・朝風呂の時間があるので、それに合わせて朝早くから行動して仕事のし始めも早くなります。生活リズムも整って、健康的になると思います。
三原:今回はどこに滞在されましたか?
永井:別府市明礬にある杜の湯リゾートさんです。旅館だと部屋の間の壁が薄くて、コンプライアンスが不安に思える瞬間があるのですが、今回はリゾートホテルだったので、声の漏れ聞こえの心配はありませんでした。仕事内容によって宿を選ぶのもおすすめです。
三原:別府にはさまざまな泉質の、さまざまなお宿があるので、バリエーション豊かな中から選べるのも魅力ですよね。私は職業柄、映画を何十本も観なければならないこともあるのですが、家でずっと観ていると気が滅入ってしまいます。温泉地に映画を持ってきたら、リフレッシュして観ることができました。
永井:温泉地というだけで、「仕事をしている感」は減るかもしれないですね。仕事だけど、リフレッシュになっている感じです。
三原:私は普段、旅行先ではアクティブに動き回りたいタイプなのですが、今回はワーケーションとして宿にこもって、ゆっくり過ごしつつ仕事に集中できています。久野さんは、別府で行って良かったと思う場所はありますか。
久野:温泉卵にハマりました。湯気が立っている光景を見ながらいただく温泉卵は最高でした。あとは、温泉プールがあったのはとても良かったです。
永井:別府で有名なパン屋さん「友永パン」はとてもおすすめです。別府を訪れたら必ず行くパン屋さんです。
三原:別府の魅力は尽きませんね。永井さん、久野さん、ありがとうございました。
BIGLOBEが提供する「温泉大賞®︎」のネクストノーマルとしての「ONSEN WORK」。その第二弾として発表された別府温泉郷でのワーケーションプログラムは、別府ならではの魅力に溢れています。
福利厚生の一環として従業員が「温泉地から働くこと」を当たり前に選択できる日を目指す「ONSEN WORK」。今後の展開にも注目です。
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