コロナ禍で苦境に立つ温泉地に貢献したい〜温泉でワーケーション〜

こんにちは。BIGLOBE Style編集部の吉田です。
2021年3月にグランドオープンした、温泉地と企業をマッチングするサイト「ONSEN WORK」。今回はその担当者・縄手真人に本サービスの舞台裏や、どんな思いで取り組んでいるのか語ってもらいました!
ワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語です。

 

縄手真人

 縄手 真人(なわて まさと)
新規事業本部
法人営業、システムエンジニアを経てコンシューマ向けメディアの企画職へ。トラベル事業では、宿泊予約アプリ「旅比較ねっと」や、日帰り温泉アプリ「温泉天国」などを担当。プライベートでは国内外2,500ヶ所以上の夜景スポットと、600ヶ所以上の庭園を巡る。

*撮影時のみマスクを外しています。

 

お世話になっている温泉地へ恩返しがしたい


──── 「ONSEN WORK」リリースのきっかけを教えてください。

 

新型コロナウイルスの影響で弊社のトラベル事業が大打撃を受けたのをきっかけに、この変化に対応できる新たなサービスの開拓に注力しました。

BIGLOBEは長年温泉地にお世話になっていまして、「みんなで選ぶ 温泉大賞®」は今年で13回目を迎えます。新たなサービスの立案に向けていろいろなアイデアがでましたが、最終的に温泉地とのつながりという原点に立ち返って「温泉地への恩返し」を軸にしたサービスの企画・検討をスタートさせました。

温泉地の方々に課題についてヒアリングしたところ、プロモーション方法、泊食分離・料理人不足などさまざまな課題が挙がりました。その中で分かったことは、温泉地が一番求めているのは宿泊客だということ。コロナ禍が収束しても元の姿に戻るのは容易ではないので観光客以外の宿泊者も獲得したいということでした。

また、企業についても昨今のテレワーク化でコミュニケーション不足が問題になっていたので、それならばワーケーションにニーズがあるのではないかと。そこで、温泉地でワーケーションする企業を集客する事業に取り組んでみよう!と、このプロジェクトに踏み切ったんです。

 《ミニコラム》
 温泉大賞を担当する西尾が、本プロジェクトで別府鉄輪温泉に訪れ、感じた思い

温泉地の方とお話しして実感したのは、現地は本当に大変であったという事です。

コロナ禍で温泉地に人が来ない状況がこのまま続くと、温泉地、宿泊施設の維持や従業員を守れないという事。「温泉地を守りたい」という想いがひしひしと伝わってきました。

そして、温泉地や湯治場を守りたいという活動をされていることに、すごく刺激を受けました。

BIGLOBE旅行や温泉大賞の活動を通してお世話になっている温泉地の皆様に、少しでも貢献したい。

温泉地の魅力をお伝えしたい。

温泉文化を守りたい。

今回の活動を通して温泉地へ行ってもらい、その魅力に触れ、旅館・ホテルなどを多くの方に利用していただきたい、という思いで活動しています。

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別府温泉郷にてTV取材中(写真右:西尾)/弊社社員が温泉の蒸気を利用した調理法「地獄蒸し」を体験

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リリースまでの道のり

──── プロジェクトメンバーについて教えてください。

 

温泉地とのつながりがあるトラベル事業メンバーの他に、「ネットワークに強い」、「人脈や知識が豊富」、そして「新規事業に携わる若手」といったメンバーが、部門を跨いで集結しています。それぞれの強みを最大限に活かせる体制はプロジェクトを進める上でとても心強く思っています。

 

縄手真人

 

──── 具体的にはどのようなことから取り掛かったのですか?

 

まずは、メンバーそれぞれの経験や人脈を活かしてこのプロジェクトにご協力いただける温泉地を探すところからですね。

その結果「みんなで選ぶ 温泉大賞®」でお世話になっている湯河原や別府といった温泉地をはじめ、秋保温泉にある老舗ホテル「伝承千年の宿 佐勘」さんとのご縁で、わたり温泉(宮城県)とも一緒に活動させていただくことになりました。
東日本大震災で被災した亘理町の温泉施設「わたり温泉 鳥の海」。その再開にあたって、佐勘さんが「うちは震災の影響が少なかったので近くの町を支援すべき」というお考えで利益よりも支援という形で亘理町から委託され、運営されています。

そのような経緯から「わたり温泉 鳥の海」と亘理町をご紹介いただき、弊社エンジニアチームも実証実験に伺わせていただきました。

わたり温泉 鳥の海

「わたり温泉 鳥の海」

そして、観光庁の採択事業(ワーケーションのメッカ創出)に取り組んでいる伊東市へもお声がけし「ONSEN WORK」グランドオープンの会見で登壇いただきました。



──── 広くパートナーシップを組まれているんですね。

 

温泉地や自治体だけではありません。「ONSEN WORK」のリリースにあたっては、ワーケーションの効果を裏付けるために、企業様にも実証実験にご協力いただきました。参加された企業様のうち、損保ジャパン様はこの体験をきっかけにワーケーションに因んだ新しい保険商品を考案し、検討されています。このようにパートナーシップを組むことによってイノベーションが生まれ、さらには温泉地を守るという目的の達成に少しでも近づけるのではないかと思っています。

 

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SDGs(持続可能な開発目標)から。

 

──── ワーケーションに関することで、温泉地からどんな声が聞かれましたか?

 

温泉地や宿泊施設の立場からすると、バケーションのことは強くても、ワークに求められることが十分に分からないこともあります。そのため、お客さまに安心して宿泊施設をご利用いただけるよう、宿泊施設側では気づきづらい点を弊社が調査をし、「ONSEN WORK」のサイトで発信しています。
例えば、リモート接続に耐えうる回線速度とレスポンスがあるか、延長ケーブルやホワイトボードなどがあるかなど。
特に、現在行っているTRY ONSEN WORKATIONプログラム(無償で行う企業様のワーケーション体験)の宿泊施設は、私たちが直接訪問してネットワーク回線の確認を行いました。

ネットワークチェックは社員が行っていますが、私たちの手を借りることなく回線チェックができるアプリを新卒2年目の若手社員が開発中です。そのアプリで改善すべき点が見つかった場合のソリューションの提供についても、現在調整しています。

 

また、チェックイン前、チェックアウト後に仕事をするスペースも必要だという声もいただきました。それならば、設備投資を抑えるためにも地域ぐるみで解決しようとお手伝いしたのが、伊東市の文化施設「東海館」のコワーキングスペース化です。一部お部屋をワーケーション利用者に向けて有効活用しようという事例となります。

縄手真人

ワーケーションの効能はヘルスチェックで検証

 

──── 企業様による実証実験ではワーケーション前後のヘルスチェックで効果検証ができるそうですね。

 

温泉大賞担当の西尾さんとつながりのある日本健康開発財団の方からアイデアをいただいたことがきっかけで取り入れることにしました。このような温泉地でのワーケーションで得られる効能の裏付けは他ではやっていないと思うので、BIGLOBEならではの強みといえるのではないでしょうか。
このヘルスチェックは臨床試験データとして使えるように申請もしています。必要十分なデータが取得できたら日本健康開発財団の方に各学会で発表していただき
温泉地でワーケーションをすることの有効性を広めたいですね。
すでにワーケーションというキーワードでお客様にご利用いただいている宿泊施設からは、この取り組みを切り口にさらに伸ばしたいと期待していただいています。

 

立ちはだかる困難

 

──── このプロジェクトがかたちになるまでに困難はありましたか?

 

緊急事態宣言の発出と延長により、実証実験や「ONSEN WORK」グランドオープンのスケジュールが大きく狂ったのは厳しかったですね。実証実験のために何部屋か予約していましたが、2度もキャンセルすることになってしまったんです。宿泊施設を救うつもりが痛めつけることになってしまい、心がとても痛みました。

 

──── 今後の課題は何でしょうか。

 

ワーケーションに来ていただきたい企業に向けた、地域からの情報発信だと考えています。これは観光客に向けた観光PRだけではなく、地域の課題発信により、地域貢献やCSRの観点からも企業が従業員のワーケーションを後押しできるような情報を伝えることが必要と考えています。

 

目指す姿

 

──── 縄手さんは「ONSEN WORK」を通じてどんな将来像を描いていますか?

 

本事業を通じて、温泉地の方々と企業の従業員が豊かになって欲しいです。温泉地の方と地域貢献などで交流することで、自分自身の成長に繋げ、その結果、温泉地も豊かになる。そういった「つなぐ場」に昇華できたらと思っています。最終的には、その町を好きになり、移住するひとが現れ、地方創生に貢献できればいいですね。

 

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湯けむり立ち上る路地裏(別府温泉郷)

最後までお読みいただきありがとうございました。
BIGLOBE Styleでは、今後も「温泉でワーケーション」にまつわる情報をお届けしていきたいと思います!

 

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