BIGLOBEの「はたらく人」と「トガッた技術」

地域観光の魅力を「デザイン思考」で見つけ、まとめ、伝える。2022年度 新入社員研修in小田原市

こんにちは。BIGLOBE Style編集部です。

社会人になってからの最初の一歩である新入社員研修は、各社いろいろな取り組みを行っています。弊社でも、2022年4月に11名の新入社員を迎え、神奈川県小田原市を舞台に、デザインシンキングの手法を使って、地域の課題解決に繋がるアイデアをまとめ発表する研修を実施しました。

テーマは「若者をターゲットにした、小田原市の観光」。

コロナ禍の影響もあり昨年は本社(東京都・品川シーサイド)のみで研修を行っていましたが、今年は感染症対策を万全に行った上で、フィールドワークも実施。3日間にわたる研修の最終日には、小田原市長の守屋輝彦(もりやてるひこ)さまをはじめとした小田原市の役場の皆さまを前にプレゼンテーションも行うなど、とても充実した内容でした。

今回の記事では、弊社が行った2022年新入社員研修の模様をレポート形式でご紹介します。

※集合写真撮影時のみマスクを外しています。

小田原城を中心に栄えた宿場町の魅力を、若年層に訴求するには

小田原城

「皆さんに期待する成果はイノベーティブな提案です」

冒頭でそう話したのは、今回の研修講師である内田智士さん(IDEAPOINT社)。

・見たことも聞いたこともないこと
・実現可能なこと
・物議を醸すこと

このような視点を持ち、研修会場となった神奈川県小田原市の地域課題の解決に取り組むことで、実際の職場で「デザイン思考」が活用できるイメージを持つことが研修のゴールでもあります。

IDEAPOINT社

研修講師 内田智士さん

研修が開催されたのは4月18日からの3日間。
新入社員は小田原への道中から研修をスタート。観光客の観察をしながら会場入りしました。

最終日には小田原市長の前で成果発表もあるということで、最初は緊張していたメンバーも。しかし、これから社会人生活を共に歩む同期の仲間と一緒だったので、アイスブレイクのワークショップを通じてすぐに打ち解けていきました。

そして、実際に小田原の街をフィールドワークする前に、小田原市役所観光課の宇佐美さまに地域の課題と提案への期待を説明いただきました。

東京駅から新幹線で35分。新宿駅からも約1時間とアクセスが良く、周りには箱根・熱海・湯河原・真鶴と観光地も多いことからターミナル駅として賑わっている小田原市。
小田原城を中心に、江戸時代は東海道屈指の宿場町として栄えた場所です。
その上で課題をまとめると大きく2点。

1.歴史観光に偏っている
2.イベントによる誘客が多い

ご年配の方や、イベントがあるときだけ訪れる観光客の方が多いため、BIGLOBEの新入社員には「若年層をより誘客するための施策・事業を考えてほしい」という要望をいただきました。

小田原市役所観光課

小田原市役所観光課 宇佐美さま

このお題を受けて、3つのチームを作り、どこをフィールドワークで周りたいか、どんなテーマでアイデアをまとめていくかなどを話し合いました。

その後は、いよいよ小田原の街に繰り出します!

 

天成園 小田原駅 別館

今回、研修会場として神奈川県小田原市の「天成園 小田原駅 別館」を利用させていただきました。

 

BIGLOBEは、固定回線・モバイル事業のほか、地域・社会貢献事業など多岐にわたり展開。例えば「ONSEN WORK」では、温泉地でテレワークすることで、働きながら健康になることを目指す新しいワーケーションを紹介しています。

今回の本研修も「研修×ONSEN WORK」という試みで、研修後に会場として利用させていただいた天成園(別館)にある温泉の湯船に浸かって思考の整理をしたり、疲れをリフレッシュしながら小田原市の地域課題に取り組みました。

 

天成園 小田原駅 別館
https://workation.biglobe.ne.jp/onsen/odawara-tenseien/

小田原市内を歩いて、街の課題や魅力を発見するフィールドワークへ

3チームに分かれ、各自テーマを持って街へ。
しかし、初日はあいにくの雨。
実際に小田原を訪れる観光客の気持ちになって、雨だったらどこに行くかなと考えながら市内を歩きました。

ここからは、読者の皆さんにも小田原の魅力が伝わるように研修1日目と2日目のフィールドワークの模様を写真でレポートします。

各チームで観察テーマをまとめ、視察場所を選定していきます。まだ訪れたことがないエリアでどんな情報が得られるかを想像するのは楽しいワークです。

小田原には観光名所がたくさんあります。短い時間で回りきれるかな?

 

1日目は1時間半、2日目は晴れたので2時間ほど、フィールドワークを行いました。

 

デザインシンキングの研修も大詰め。アイデアをまとめる作業へ

デザインシンキングの基本フレームワークは「観察」「発想」「プロトタイピング」の大きく3つのプロセスに分類されます。

フィールドワークは、実際の街の様子や、お客さまの流れなど、人の行動を細かく観察し、なぜそうなるかを考えるという目的がありました。

そして、現場での気づきを紙と付箋に整理していくことで、アイデアを生み出していきます。

各チームそれぞれ付箋でグルーピングした気づきを、アイデアとしてシートにまとめていく作業へ。

「これいいっ」「天才!」「それは、気が付かなかった」と、思わず声が出るほど活発に意見が飛び交いました。

これで研修2日目が終了。いよいよ明日が最終日の全体発表になります。一人の意見ではなく、みんなで提案することを意識し、最後まで追い込んで資料をまとめていました。

 

小田原市長も見守る中、研修の成果を発表

守屋輝彦小田原市長

小田原市長 守屋輝彦さま

「現在、小田原市は観光ビジョンを作り直しているタイミングなので、皆さんのアイデアをぜひ参考にしたい。イノベーションを起こすことは簡単ではありませんが、公民連携からアイデアを実現していきたいと考えています」

研修最終日(3日目)。午前中は発表の準備を行い、午後からは小田原市長の守屋さまも参加し、ご挨拶をいただいてから各チームのプレゼンテーションを行いました。

 

最初に発表したチームのテーマは「小田原時間遡行」

「小田原駅から小田原城の正門まで歩いていく過程で、現代から室町時代まで遡行できる仕掛けを体験できるコースです。スイーツや地場産のグルメスポットやSNSにシェアしたくなる映え写真スポットなどを、移動式屋台を活用しながら実現します」

実際に作成した立体地図の上でお散歩するデモを行い、小田原を気軽に迷わず観光できるイメージも沸くアイデアを提案しました。

 

次のチームのテーマは「ODAWA-LANTERN」

小田原提灯を持って観光するアイデアを発表しました。東海道の宿場町であった小田原では、旅人が携帯するのに便利なように提灯を作っていたことからの着想です。近隣の有名観光エリアである箱根は夜遊ぶ場所が少ないことから、宿泊は箱根でもナイトライフは小田原で過ごすというアイデアも盛り込まれていました。

「ポイントは大きく4つあります。小田原の街並みを楽しんでもらうこと。通りにある地元のお店を利用すること。若者が写真に撮りたくなり、SNSに投稿したくなるような仕掛けを作ること。町並みと観光客が一体感を味わえるような企画にすること」

手作り提灯と共に、小田原の街も照らすアイデアを発表しました。

 

最後に発表したチームのテーマは「学校に帰ろう」。

小田原にある学校を舞台に、“エモい”をキーワードとした体験プログラムのアイデアを発表しました。

「小田原に来て、自分たちの好きなプログラムが体験できるコースを授業や放課後活動の時間割にして作りました。例えば、クラフトビール作りや、制服に着替えて海に行くことだったり、給食として小田原の名産品をいただいたり、先生役のガイドが小田原城を案内したり……学生時代に戻れるエモい体験を通じて短時間でも非日常を味わえる企画です」

 

小田原市長の守屋さまはじめ、とても参考になったという総評をいただきプレゼンテーションは無事終わりました。

 

最後に、弊社社長の有泉からも挨拶がありました。

「私たちも初めての試みの研修でしたが、新入社員のみんなはとても刺激を受けたと思います。研修というのは、与えられた課題をこなす一方通行な内容になりがちですが、今回は実際の体験から課題を見出し解決するプロセスを通じてたくさんの学びがあったと思います。そういう視点はなかったよね!という気づきを現場の仕事でも活かして欲しいですね」

BIGLOBE社長 有泉 健

新入社員や関係者全員で記念撮影をして、今回の現場研修は全て終了です。小田原市の皆さん、ありがとうございました。

「人事部 人材開発グループ」からの一言

熊谷 淳

熊谷 淳(人事部 人材開発グループ グループリーダー)

「百聞は一見にしかず」という言葉がある通り、実際に外に繰り出し、自らの目で小田原市を見たことは、とても有益な体験になったと思います。昨年も品川シーサイドの本社でデザインシンキングの研修を行いましたが、今年はより発想やヒアリングの積極性が増し、プレゼン内容もとても面白いものになりました。

新入社員研修の最後には、社会人として歩んでいくうえでの前向きな心の持ち方を学んだり、自身のキャリアを考える時間も用意しているので、自信を持ってこれからのキャリアを歩めるはずです。みんなにとっては一生に1回の新入社員研修なので、今回の研修を経て記憶に残る面白い体験になっていれば私たちも嬉しいですね。

中川 亮

中川 亮(人事部 人材開発グループ エキスパート)

BIGLOBEはITインフラやWebサービスなどの事業を行っているので、現場の多くの業務で正しくオペレーションを回すことが求められます。しかし、机上だけで物事を考えるのではなく、自分の目で何が正しいかを見に行くことや、自分の頭で考え行動することはとても大切な姿勢です。

その点、今回の研修はみんな初日から自分の足で情報を集めていたので、成果としては期待以上でしたね。実際の現場と社内の会議室で受け取る情報は、量も質も違います。小田原という普段とは違う場所で制約も外すことで、とてもテンション高くブレストや発表ができたなと感じました。

 

最後に

 

「良いアイデアを一発で出すのはなかなか難しいことです。掛け合わせとなる情報をインプットし、考えるときは柔軟に、伝えるときは冷静に論理的にといった姿勢を、実際の業務でも活かしてください」

研修講師の内田さんがそう話すように、ここで学んだことを仕事にどう活かすかが研修の一番の目的です。

今回は小田原に集合し、自分たちの足で稼いだ情報をもとにアイデアを発表した経験は今後のキャリアにもきっと役立つはずです。そして、一緒に過ごした仲間との思い出も大きな財産になったのではないでしょうか。これからの活躍が楽しみです!

2022年度BIGLOBE新入社員

 

「社会を前進させるための情報発信」をコンセプトにした、弊社が運営するオウンドメディア『あしたメディア』にて、弊社社長の有泉が、今回の取り組みから見えてきたZ世代の可能性や、今後の温泉ワーケーションの展望について語っています。ぜひご覧ください。

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