BIGLOBEの「はたらく人」と「トガッた技術」

スキルを棚卸し!社員の現在地を把握し成長を加速する、スキル診断ツール

こんにちは。BIGLOBE Style編集部の吉田です。
近年話題となっている「人的資本経営」。BIGLOBEでも社員のポテンシャルを最大限に引き出し会社を強くするための施策を行っています。
今回は、その施策のひとつ「スキル診断ツール」の活用に携わっている人事部 人材開発グループの佐藤 睦和
に話を聞きました。

佐藤 睦和

佐藤 睦和(さとう ともかず)
コーポレート本部 人事部 人材開発グループ

新卒で入社した経営コンサルティングファームを経て、2020年 8月にビッグローブ株式会社へ中途入社。現在社会人8年目。現在は、主に人事データの管理、分析による人事企画を担う。

⚾プライベートでは草野球チームに所属しています。
2歳の娘がいますが、先月末に双子👶👶が産まれて一気に5人家族になりました(笑)。楽しい子育て真っ最中です。

※撮影時のみマスクを外しています。

 

データを活用したタレントマネジメントを求めて転職

 

―――まずは佐藤さんの経歴について教えてください。

 

大学院では金融工学を専攻していました。分かりやすく言うと、いろいろな情報を元に統計的な分析をして、予測できるような数字や数式を見つけ出すもので、金融の利率を決めるのもこれにあたります。今思えば、この頃から分析→数値化→課題を見つけるということが好きでしたね。

その後、新卒で入社したのは経営コンサルの企業で、1年に100社ほどのコンサルを担当していました。経営層へのヒアリングやアセスメントツールを用いて人をデータ化・数値化し、経営についてのアドバイスを行う仕事です。各企業の経営層に向けて施策を提案する仕事はやりがいがありましたが、結果が見えるのは数年後なんですよね。そのため、担当企業が変わったり、契約期間が終了したりと、その施策がどうなったのか結果を見届けることができないところにもどかしさを感じていました。そこで、それならば自分で施策を実行できる人事へ身を置こう!と、転職活動を開始したんです。

とはいえ、当時は人に関するデータの活用が今ほど活発ではない時期だったこともあって、タレントマネジメント領域の募集が少なく、狭き門でした。

そんな中、転職エージェントから紹介されたのがBIGLOBEでした。募集要項には「データを活用した人事施策を実施したい、データ整備から始めて欲しい」と書かれていて、自分のやりたいことにピッタリでしたね。

 

―――それでBIGLOBEへ転職されたのですね。実際入社して何かギャップに感じたことはありますか?

 

入社前は、IT系の会社ということで、ベンチャーのような新しめの風土を想像していました。実際はそれだけではなく、BIGLOBEは歴史が長いので伝統のある風土が根底にあると感じます。安定や安心感という言葉が当てはまるような風土が私にとっては過ごしやすい環境ですね。

その長い歴史がある半面、タレントマネジメントをするにあたってのデータが存在していないことには驚きました。「まずはデータを作るところからか!」と(笑)

その課題を解決するために、ここ数年はタレントマネジメントシステムやエンゲージメントサーベイなどを導入し、社内に向けてデータ活用をしていくのだという意識付けから行っていきました。

現在は、それらのシステムなどから収集されたデータをもとに、人事施策の根拠となる分析を行うのが私のメイン業務となります。

 

―――素地となるデータがなくゼロからのスタートだったのですね。人事データを活用して施策を行うということで、世の中のHRトレンドにも日々アンテナを張っていることと思います。近年は「人的資本経営」が話題となっていますね。

 

分析したデータでどんな施策に落とし込むかなど検討するためにも、世の中の動向はチェックしています。「人的資本経営」は、明文化されたことで広く知られるようになりましたね。

会社や組織を強くするために個人のスキルを把握した上で、できるところは伸ばし、できないところは補うという考え方自体はBIGLOBEでも以前からあったのですが、「誰が何をできるか」というデータがないことがネックになっていました。

 

スキル診断ツールで現在地を可視化する

 

―――そのような背景があって今回リリースしたのが「スキル診断ツール」ですね。

 

はい。成長を加速させるために、自分の現在地を正確に把握し、誰がどの業務をどのようなレベルで遂行できるのかを全社共通の基準で測れるツールです。
これで何ができるかというと

・個々人の能力開発項目の明確化、成長目標の具体化
・個々人の特化した業務遂行力を活かした部門編成
・異動や業務アサインによる企業活動の活性化

などが挙げられます。
社員自身が半期に一度スキル診断を行うことで成長の方向を明確にし、VUCAの時代を乗り切ろうという試みです。

スキルのフレームワークは、BIGLOBEの業務を運営するために必要な業務を、一般的に認識されている業務上の役割(=ビジネスロール)単位でまとめました。

業務の最小単位(=タスク)の遂行力が分かれば、関連する職務(=ジョブ)とビジネスロールのレベルを、世の中一般のレベル基準で算出し、把握できる構造になっています。このフレームワークを用いてスキルを可視化していきます。

スキル診断はビジネスロールごとに、自分が7段階のうちどのレベルにいるのかが判定され、どのスキルを伸ばせば次のレベルに到達するのか表示されます。

このことで、自分がどのように成長していきたいかキャリアプランがより具体的になり、日々行われている1on1を通じて上司とも共通意識が持てるようになります。

 

―――自分がなりたい姿に成長するためにはどのスキルを伸ばせばよいかを示唆してくれるんですね。個人だけで閉じているのではなく、それが全社的に共有されているのもいいなと思いました。
数多くの業務があるので整理するのは大変だったのではないでしょうか。

 

その通りです。最終的に「どの部門にどのようなスキルを持った人がどれぐらいいるか」を可視化できるようにするには、まずはBIGLOBEにどのような業務があるかを調べる必要がありました。
外部コンサルにもご協力いただきながら、経営層のヒアリングから始め、各本部の役割やミッション、さらにそれを細分化するために部単位のミッションを聞いていきました。結構な数のヒアリングをこなしましたが、前職のスキルを活かすことができたと思っています。

 

新人エンジニアがアジャイルで開発

 

―――このツールはエンジニア新人研修のシステム開発演習の一環で内製したと聞きました。開発する上で工夫したことはありますか?

 

開発演習は毎年行っていて、前年度の新人も「マインドポイントシステム(※)を作ってくれました。その経験から、新人がどの程度の開発が可能か目途をつけた上で、こちらの要望を依頼しました。

※社内で感謝の気持ちを伝えあう「マインドポイントシステム」についてはこちらをご覧ください。

style.biglobe.co.jp

工夫としては、私がプロダクトオーナーで、新人が開発エンジニアチームとなり、アジャイルで開発したことです。新人の経験値になるという意図もありますが、最終的なカタチが描き切れていなかったので、共に探りながら最善のものを作り上げるにはアジャイルが最適でした。

佐藤 睦和

 

―――苦労した点があれば教えてください。

 

リリース予定日が決まっていたので、こちらの要望と、これで十分じゃないかというせめぎ合いの中、どこで折り合いを付けてGOを出すかという点が一番難しかったですね。
他には、システムの処理が重くなってしまったり、開発プラットフォーム上の制約でデータ処理件数が制限されてしまったりという課題がありましたが、新人研修担当者の叡智とチームの技術や努力で課題をクリアし、システムとして完成させることができました。いいものを作りたい!という思いで取り組んでくれた結果だと思っています。

 

今後の展望

 

―――5月末にリリースしてから半年経ちましたが、活用してもらうためにどのように浸透させているのでしょうか。

 

前提として、このツールを作る段階から、「やる意味があるの?やって何になるの?」という意見がありました。これまでスキルを測るという文化がなかったので、「やらされてる」という認識があったのかと思います。

自分と向き合い、成長するためには何をすべきかを知るには、現在地を把握してこそキャリアプランが立てられるのだ、というこのツールの意味合いを、マネジメント層向けに勉強会を開いて理解を得ていきました。

現時点では、約8割の社員がスキル診断を実施しています。ある部門ではこのスキル診断を活用して「このスキルを、いつまでに、このレベルまで上げたい、そのためにこういう行動をとる」といった半期や年間の目標を設定しています。今後、そのような使い方をしてくれる部門が増えるといいなと思っています。

 

―――今後の展望を聞かせてください。

 

「事業は人なり」と弊社でもよくいっているように、社員のレベルを底上げするだけでなく、経営の観点で必要なスキルレベルを定め、指標として使っていくことを想定しています。
スキル診断ツールを活用して人材のポートフォリオを作り、会社ぐるみの施策としてやっていきたいですね。
そのためにも、社員にはどんどん活用してほしいです。そして、自分を理解した上で、新しいスキルを身に着けたいとか、例えば将来的にビジネス・ストラテジストになりたいといったことを言語化して、社内で議論する場を作っていただきたいと思っています。

佐藤 睦和

スキル診断はあくまで自分のレベルを客観的に知るためのツールです。今は、分析の4つのステップ(記述、診断、予測、処方)でいう診断のところです。
次は、予測のフェーズです。「このスキルの人はどれくらいの活躍ができるのか」、「ここを伸ばすとより活躍できる可能性がある」など、将来を予測します。
予測と処方(やるべきことを明示する)までが分析の最終目的ですので、この先は、達成したいレベルに到達するには何をすべきかを、自ら計画するだけではなく、システムが提案してくれるところまでできたらと思っています。さらには、スキルをあげるための能力開発プログラムを紐付けて案内するところまでいけたら最高ですね。

 

―――最後に、この記事を読んでいただいた人事部門の方へメッセージがあるとのことなので、お願いします!

 

スキルを体系化したいとか、人的資本経営でデータを集めていろいろやりたいと思っている企業、人事の方が多くいらっしゃると思います。是非、意見交換しましょう。ご連絡お待ちしています!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

BIGLOBEでは個々人が自分のスキルを振り返り、成長に向けて邁進しています。このような環境のなか、一緒に働いてみませんか?

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