BIGLOBEの「はたらく人」と「トガッた技術」

人事部長はジンジニア★~強い”チームBIGLOBE”を目指して~

こんにちは、BIGLOBE Style編集部の森山です。
今回は、2017年から人事部長を務める杉森 隆行へのインタビューをお届けします。

杉森はユニークな経歴の持ち主かもしれません。
開発エンジニアとしてキャリアをスタートし、エンジニア部門の組織開発経験を経て人事部へ。エンジニアとしてのキャリア基盤を持ちながら人事を担っている――ジンジニアとして、今後BIGLOBEをどのようにしていきたいかなど聞いていきたいと思います。

f:id:morimorimoriyama:20200616182016j:plain 杉森 隆行(すぎもり たかゆき)
1996年NECに入社し、2001年2月に社内公募によりBIGLOBEに異動。 BIGLOBEでは開発部門に所属し、エンジニアとして運用者向けISP業務システムからお客さま向けのMyBIGLOBE、BIGLOBEトラベルというポータルサイトまで様々なシステム開発に従事。管理職になってからは開発プロジェクトのマネジメントと共に、エンジニア組織の活性化のため力を注いできた。2017年10月に人事部長に就任。



ジンジニア(エンジニアで人事)爆誕!

━━約3年前に開発部門から人事部への突然の異動!エンジニアから人事部長ってギャップがすごいですね。

社内で人事にいくんですって伝えるとほとんどの人に驚かれました(笑)。でも、自分としては元々エンジニア部門の組織開発をしていたので、それを会社全体にやっていって良いってことだろうなと受け止めました。2017年10月に異動しましたが、今もこのローテーションがあって良かったなと思っています。

━━どう良かったんでしょうか?

組織的な思惑ではなく、あらゆる偶然によって今ここにいるなという実感があります。改めてこのインタビューを機に自分のキャリアを振り返ってみました。 ひとつには、BIGLOBEに手を挙げて異動できたこと。次に、内製開発への取り組みは自分から仕掛けたというより「やってみろよ」と言われてはじめたこと。最後に、この人事への異動。いろんな偶然が重なって今に至っているなと。

「エンジニアから人事なんてやってられないや!」となっていた可能性もありますが、新しい場所で新しいことをやってみようと思えたことが結果として自分にとってすごく良いことだったと思うんです。キャリア理論の中で「計画的偶発性」という言葉がありますが、結局色んな偶然に対してそれを「チャンス」として活かせるかがすごく大切だなって。 今後もBIGLOBEや自分自身、BIGLOBEで働く社員、そして今この記事を読んでいる方にも色々な偶然や変化があると思いますが、そういった「チャンス」を活かして歩み続けていってほしいです。

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若手社員と話している杉森

 

エンジニアの組織改革

━━人事に異動する前、エンジニア部門の組織開発をしていたとのことですが…ズバリ!きっかけってなんだったんですか?

NECから社内公募でBIGLOBEに来た2001年は、BIGLOBEはNECの部署のひとつでした。システム開発を担当していたと言いましたが、実際の開発は、NECグループのソフトベンダーにアウトソースしBIGLOBEの社員は設計や要件定義といった上流工程を担当していたんです。そこから7,8年くらいはそういったかたちで、担当するシステムは変わっていったけれどもプロマネや要件定義をしていました。 正直、自分自身で開発に携われないもどかしさのようなものは感じていたところ…2010年10月、当時の上司から「内製化してみなよ!」と突然、社員5人ほどのチームを任されて(笑)。それが大きなきっかけになったと思います。

━━エンジニア部門の組織開発はそんな始まり方だったんですね(笑)! どうやって進めていったんでしょうか?

元気のありそうな若手社員が集められていて(笑)、しかし当然今まで内製をやったことがないメンバーだったので何をしたらいいんだろうという状態でした。 そもそものチームとしてのミッションも目標も具体的になっていなかったので、自分たちで何をしなきゃいけないんだっけというところからチームで考えることにしました。その時に偶然、「アジャイル開発(当時、欧米で広がっていた開発手法)」をTwitterで偶然目にしたので、今回の内製チームでは、アジャイルを取り入れていくことにしました。

そもそも、商用サービスの開発経験のない素人集団だったため、技術力や開発力の向上が急務でした。そこで最初は開発環境を調査したり整えたり…その後たまたま新事業のプロジェクトが社内で立ち上がり、たまたまチームメンバーがそのプロジェクトに参加しており、たまたまそのプロジェクトはアジャイル開発で進めてみようということになりました。 手探りな状態ではありましたが、その偶然のプロジェクトでの開発にあたってチーム作りをアジャイルで行う成功体験ができました。

━━アジャイルに挑戦したことでどのような変化があったんですか?

後述しますが、アジャイルであるということは、単なる開発手法の話ではなく、”いきいき”していて”自己組織化”されていて”同じビジョンへ向かっていく”チームであることだって気付いたんです。「仕事だから」「言われたから」というマインドで開発をしている人が社内ではマジョリティーでしたが、内製チームはやりがいを強く感じていたりモチベーションも高く、開発自体を楽しんでいました。 僕のチームだけじゃなく、エンジニア組織全体をアジャイルな組織にできればなと考えるようになるには時間はかからなくて…。このことについて上司も共感してくれて、色々とサポートをしてくれました。

━━なるほど!開発手法としてではなく、チームを活性化させるものとしてアジャイルをエンジニアの組織全体に活かそう!となったのですね。

はい。自分のチームではうまくアジャイルなチームができたなと強く思えたのですが、いざ組織全体に広げていこうと取り組んでいくと、なかなか難しくて…。結果としては、「広まったけど、薄まった」という感覚でした。 色んな人がアジャイルを意識してくれるようになりました。でもその深さや理解はまだまだ深められていなくて、力不足を痛感しました。そんな停滞感を感じている中、突然上司に呼び出され突然人事に異動となったんです(笑)。


 《ミニコラム》
 アジャイルとは?

杉森はアジャイルについて、「メンバーひとり一人が常に考えるチーム」と解釈しています。
”いきいき”しているとき、人は能力を最大限発揮し、チームでそれができれば強いチームとなります。チームをいきいきさせるには、義務感ではなく自発意思が重要です。その結果、自然とPDCAサイクルが回ります。自分がサイクルを回しているという実感は、自発意思をさらに強化し、正の循環が生まれます。義務感ではなく自発的意思でそのサイクルを回している実感を持てることが重要です。そういった感覚により達成感や成長した実感を得てチームは元気になります。
そういった自発的意思を築くために、”自己組織化”することも必要になります。目的(ビジョン)に向かってチームのメンバーがそれぞれ自発的に行動する。分担はしても線は引かずにチームで助け合える。チームに自由な裁量を与え、指示や管理はしないが責任はとる…「信じて任せる」ことがリーダーに求められます。
最後に、共感できるビジョンを示し、チームで話し合うこと──「チームを同じバスに乗せる」ことで同じ方向に向かってチームで取り組んでいきます。

まとめると…
①いきいきとしたチーム
②自己組織化されたチーム
③ビジョンに向かって進むチーム
=アジャイルなチーム!ということです。

【参考】
■BIGLOBEにおけるスクラム開発の導入事例
https://www.ipa.go.jp/files/000004853.pdf
 BIGLOBEにおいて、ウォーターフォール型の開発の中で、いかにしてスクラム開発を内製開発で推進していったかについて、実際の苦労を踏まえて紹介します。


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今後、BIGLOBEをどう変えていきたいか

━━人事部長として、BIGLOBEの課題って何だと思いますか?

これは良いところでも悪いところでもあると思いますが、「言われたことは真面目に取り組む」ところですかね。それだと、やっぱり言われた範囲でしか物事が進まないと思うんです。もっと色んな人が色んなことをどんどんやっていける会社を目指したいです。

「上司が全部わかっている」という時代は終わりました。各々が良いものを目指していくことが大切。極端な例を挙げるとすれば、若者向けのサービスをおじさんが考えても出てこないというのと一緒です。みんながそれぞれの発想で意見をぶつけていって、より良くなっていくのが理想。 今までは「こっちいくぞー!」とみんなで一緒に動いて伸びてきましたが、これからはそれだと伸び悩みます。それをブレイクできるのは、それぞれの人の多様な考え方なんです。

━━そんな会社になるためには、何が必要ですか?

アジャイルの大事なキーワードの1つに「自己組織化」という考え方があります。 例えば、雪の結晶があるじゃないですか。雪の結晶は「ここでこうしてああしてこんな形になりなさい!」と誰かから指示を受けて綺麗な六角形のかたちになるわけではありません。水の分子が自律的に繋がった結果、綺麗な結晶になります。ああいうのを自己組織化といって、自然界ではいろんなところで見られる現象です。 アジャイルでいう「自己組織化」とは何かというと、指示を受けるのではなく、チームメンバーひとり一人が自律的に動いていった結果ひとつのチームになっていくこと。言葉にすると軽く感じますが、それってものすごく難しいことなんです。例えば、上司が部下に指示をする場面って普通に見受けられると思いますが、それをした瞬間に自己組織化じゃなくなります。ひとり一人が真剣に考えて行動していかなければいけないし、お互いにぶつかり合いながらもチームとして同じ方向を向いていく必要があります。ある程度の会社の規模感になるとどうしても指示命令系統という話が出てきて自己組織化するというのが難しくなります。

でも、実際にアジャイルなチームを作ってメンバーが元気にいきいきと仕事をしている状態を作った経験があるので、今度は、開発組織だけでなく、会社全体でも、究極的にはそこを目指したいですね。

━━それでは最後に、現在、そして未来のBIGLOBEの社員に向けてメッセージをお願いします!

「自己組織化」という難しい話をしましたが、そのためにも、自分自身が、「仕事を楽しむ」というのが一番のベースになります。仕事を楽しめていれば、どんなことでも成長につながるけど、楽しめていなければ、何をやっても身になりません。 BIGLOBEを、ひとり一人が、楽しんで仕事に取り組み、それぞれが継続的に成長できる会社にしていきたいと思います。

そんな会社に興味がある人は、ぜひ一緒に働きましょう!(笑)

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社内eSports大会に参加して楽しんでいる杉森

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